第73問(2006年11月5日:佐藤棋聖-日浦七段戦) |
(問73-1) 先手佐藤棋聖は、▲7六歩△8四歩に▲7七角と上がり角道を止めない向かい飛車と趣向に出た。その後、穴熊に囲った先手に対し、後手は左美濃に組もうとしたのだが、駒が離れた瞬間、先手が機敏に仕掛け戦いに入った。 途中何か反撃のありそうな局面もあったのだが、佐藤棋聖の強襲が成功し、今△6五馬に▲5三銀不成と入ったところ。悪いながらも決め手を与えないよう辛抱する当然の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問73-2) 終盤に入っても厳しく迫る先手に対し、一矢報いんとして△2六桂を打ったところ。これは次に△1八桂成▲同玉△2六桂▲1九玉△1八飛(香)までの詰みを見ている。後手玉は金や銀で王手してもまだ詰まないのでこれは受けるしかない。 どのように受けたら良いか、佐藤棋聖の指した一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問73-1解答)「金駒はかわして受ける」 ここでは△3三銀右とかわすのが当然の一手。△5三同銀と取ってしまうのは、その銀を攻めに使える時以外は、▲同馬で相手の攻め駒が増え、自陣の守り駒がなくなり損になる。 相手の重そうな金駒を取らずにかわす受けは時々出てくるので覚えておきたい。 |
(問73-2解答)「金を投入して玉頭をガッチリ受ける」 解説の島八段も私も見ている時は▲2五金と打つのが一目だったのだが、佐藤棋聖は▲3六金と打った。どちらに打っても詰めろは消えるが、▲2五金でも後手玉の詰めろにはなっていないので、強く馬に当てた方が勝ちが早い。 この後は△1八桂成でも▲同玉で後続はまったくなく、△3六同馬でも▲同歩で駒を渡さずに詰めろがかからない。実戦は△3八金と形作りに打ったが、▲同金△同桂成以下後手玉は詰まされた。 |
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