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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年10月30日出題)

第72問(2006年10月29日:石川六段-森下九段戦)
(問72-1)
先手石川六段の三間飛車に対し左美濃に構えた森下九段。難解な中盤から仕掛けたものの重大な見落としがあり、後手が形勢を損ねた。その後、金銀で押さえ込みを図るも丁寧に応対した石川六段がはっきり優勢に。しかし、今勝負手とばかりに、△6九角を打ち、次に△5七歩成の攻めを見たところ。ここで単純に龍を取られ、先手で飛車を打たれては勝負形にされてしまう。ここで石川六段の指したうまい受けの一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問72-2)
苦しかった森下九段だが、辛抱しているうちに局面は難しくなっていった。今、▲6三馬と入り、次に▲4五角からの攻めを見たところ。ここでは何かこの筋を受けなくてはならないが、どのように受けるのが正しい受けか?この「受けの手筋」でも良く題材にする手筋の一着。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問72-1解答)「美濃を崩さない取られ方」
ここで石川六段は▲3六龍とかわした。何も受けないと、△5七歩成▲同歩に△4七角成と成り▲同銀で4九の金が離れてしまい、飛車を先手で打たれてしまう。▲3六龍は、△3六角成と取られても▲同歩で美濃そのものが崩れない上に場合によっては▲3五歩や▲3七桂からの攻めも狙える味良い一手となっている。


(問72-2解答)「玉の早逃げ八手の得」
頻繁に出る玉の早逃げがここでも有効だ。▲4五角だけを防ぐ為に5四や4四に何か打っても▲3五香(局面によって歩や金)から▲3四角(金)の筋の攻めもあり、あまり得な受けになっていない。玉引きは、そうした攻め筋からも遠ざかっていると言える。
その後、▲3五香に△3四歩、▲5一角に△3二金と辛抱し、一時は逆転したかと思われたが、最後の最後にミスを出し、辛抱が実らなかった。

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