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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年12月18日出題)

第79問(2006年12月17日:森内名人-行方七段戦)
(問79-1)
相矢倉からじっくりした戦いになった本局は、後手ながら行方七段が積極的に7筋の歩を切りに行って戦いが始まった。
今、▲7四歩△6四銀に▲4八銀と3七の銀を引いて角の退路を確保した所。つまりこの手を省いて▲6五歩だと△4五歩で何ともない。しかし、今度▲6五歩が入ると将棋は終わってしまう。ここで行方七段の指した当然の受けは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問79-2)
後手に先攻されたが、角に当てて強く受けた森内名人が反撃。ここでははっきり後手の攻めを余している局面になった。今、△7六金と玉頭に食らい付いて来たところで、次に△8五桂打のような手が厳しい。はっきり勝ちを確定する森内名人の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問79-1解答)「歩を突き捨てて角道を止める」
▲6五歩△同銀▲8二角成だけを受ける為△9二飛などのような手では駒が働かなくなってしまう。ここでは矢倉戦には良く出てくる△5五歩がこの一手。
この手に対し、森内名人は▲7六銀の強手で攻めを引っ張り込んで受けようとした。実戦は△9三角▲6五歩に△7五歩なら難しかったようだが、△5三銀が悪手で、先手が有利になった(感想戦では△7五歩▲6四歩△同歩で後手も指せる)。


(問79-2解答)「とにかく角道を止める」
ここでは4四角が最大の脅威なのでこの筋を止めるのが急務。持ち駒が少ないので、▲7六金から精算する手もあるが、森内名人は▲5五銀と強く大駒に当てて角道を止めた。
実戦はこの後△5四金の奇手から先手玉に食い付いたが、▲2四歩からの攻めも厳しく、最後は後手玉に必死がかかり先手玉は詰まなかった。

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