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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年12月11日出題)

第78問(2006年12月10日:藤井九段-先崎八段戦)
(問78-1)
藤井システムの本家に対し、後手になった先崎八段は趣向を凝らした左美濃から銀冠に組み替えた。その後、ややちぐはぐな先手の駒組をうまくとがめ、今好調に飛車先を切ったところ。次に△8九飛成と成られてはたまらないので受ける一手だがどのように受けるのが良いか。振り飛車らしい受けとは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問78-2)
一旦は持ち直した先手だったが、疑問手があり、局面ははっきり後手ペース。今、▲4五銀と出た手に対し、ここでは相手の攻めを見切ってはっきり勝勢になる一手がある。ここで先崎八段の指した当然の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問78-1解答)「飛車をぶつけて(歩を)打たせて逃げる」
こういう所で、平凡に▲8八歩と打つこともあるが、ほとんどの場合、それでは振り飛車が苦しい。ここでは飛車をぶつけて△8七歩に再度▲6八飛と逃げたい。本譜はその後、△7六飛が疑問で▲7七歩〜▲6五歩から勝負形になった。ただ、飛車をぶつける所で、当然ながら△同飛成と交換されて悪いようでは成立しないので注意する必要がある。


(問78-2解答)「金銀をかわす受け」
△6五金が受けの手筋として頻繁に出てくる「かわす受け方」だ。しかもこの場合は、角に当たるので非常に味の良い一手となっている。▲4五銀のような手を指された場合、△同金と取るのが最悪で▲同桂と手順に桂を跳ねられ攻めがつながってしまう。
本譜はこの後、やむを得ない▲5三角成に△同飛▲5四銀打となり△5二飛▲6五銀に△6七飛が厳しく、▲7五角△2二玉まで、まだ終盤の入口だが、金銀両取りの受けがなくここで投了となった。

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