第77問(2006年12月3日:羽生三冠-深浦八段戦) |
(問77-1) ▲7六歩△3四歩に▲7五歩と早石田から石田流に組んだ先手の羽生三冠に対し、後手の深浦八段はじっくりと左美濃から銀冠へと組み替えた。その後、玉頭での小競り合いを経て、今、羽生三冠が▲7四歩から▲9七角と動いた所。次に平凡に▲6四角と出られては8二飛の処遇が難しくなり後手が不利。ここで、後手が指した手筋とも言うべき当然の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問77-2) 7筋をからめつつ玉頭から攻めかかった後手に対し、▲2四歩から▲2三歩と逆に玉頭を攻め、今▲2四銀と拠点に銀を打ち込んだところ。ここでは、具体的な受けというより、こういう風に打ち込まれた時は、どのように対処するのが良いのかという問題。深浦八段の指した一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問77-1解答)「手筋:飛車先の突き捨て」 ここで深浦八段の指した一手は△8六歩。この手を指さずに▲6四角と出られては縦に飛車が逃げると▲9一角成で香損に、△9二飛と逃げるのは飛車をさばかれてしまうことになる。8五の歩を消しておけば、▲6四角には△8七飛成があるため、出られないという訳だ(さらに角が質駒にもなる)。良く出て来る手筋なので、級位者の人にも是非覚えておいてもらいたい手筋だが、(△8六歩に)▲同飛と飛車交換されても大丈夫の時だけと言うことも断っておきたい。 |
(問77-2解答)「打ち込みには手抜き」 棋力が低い人ほど、このような打ち込みを△同金と取ってしまう傾向にある。打ち込みの駒を取って良いのは、その駒を使ってそれ以上の厳しい攻めがある時のみ、と覚えておいても良いだろう。 ここでは当然手抜きが正解。ただ、あまりにもゆっくりした攻めだと場合によっては▲1五銀から▲2四香と打たれてしまうので、深浦八段は負担になっている香を精算してしまう為△1八歩成と成り捨てた。 この手に対し、▲同香△同香成▲同玉では狭すぎるので、▲3八玉と逃げたが、△5六歩の一本が非常に厳しく、▲2三銀成から寄せに行ったが、僅かに届かなかった。 |
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