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NHK杯に見る受けの手筋
(2006年11月27日出題)

第76問(2006年11月26日:羽生三冠-谷川九段戦)
(問76-1)
11月26日のNHK杯は休みで、将棋の日のお好み対局を放送。その中の一局で、次の一手名人戦(先手羽生三冠対後手谷川九段)から問題を出題します。

戦型は後手のゴキゲン中飛車。角交換からお互い陣形整備に入りじっくりとした戦いになった。その後、先手の羽生三冠が▲6七角と打ち3四の歩を取りに行き、戦いが始まった。そして今、その角を一旦6七へ引いて次に▲3四歩を見た所。ここで谷川九段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問76-2)
中盤の戦いで、3四の角を取る為に金が離れたのが痛く、△2六銀!の奇手も駆使したが、ここではやや先手に分のある局面。今、△3九角成と飛車取りに角を成ったところ。さすがにまだ飛車をタダで渡す訳にはいかないが、どこへ逃げるのが最善か。羽生三冠の指した逃げ場所は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問76-1解答)「一歩で一手を稼ぐ受け」
谷川九段はここで△3四歩と打った。△6六歩は気持ちの良い攻めだが、逃げられた後、依然▲3四歩が厳しく攻めを急がされることになる。△3四歩と打ち、これを本譜のように▲同角と取れば、一歩で一手を稼いだ勘定になる。このような手筋は時々出てくるので覚えておくと良いが、どちらが得をするかはその時々の状況で変わる。


(問76-2解答)「強く当てて先手を取る」
▲5八飛と逃げることも十分考えられる局面だったが、羽生三冠は強く▲3八飛と馬に当てて飛車を寄った。△同馬▲同銀とさらに角を渡すと金一枚の守りの後手はあっと言う間に寄ってしまうので、谷川九段は△2九馬と逃げたが、▲3五歩を利かせて▲6四桂。さらに▲3四歩と絶妙の手順で飛角交換を強要。最後は一枚も残さぬきれいな手順で後手玉を即詰みに討ち取った。

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