第83問(2007年1月21日:谷川九段-佐藤棋聖戦) |
(問83-1) 相振り飛車からお互い角道を開けて角交換。その後、先手の谷川九段が角を自陣に打ち、後手の佐藤棋聖は持ち駒のまま駒組みを進めることになった。 そして、まだ中盤で次に厳しい攻めがあるという局面ではないが、ここでは後手として指しておきたい一手がある。他の手を指しても疑問手にはならないが、ここで佐藤棋聖が指した”早めに指しておきたい”受けの一着は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問83-2) 佐藤棋聖が6二の玉を5二へ寄ったのも驚きだが、△6四歩▲同歩△同銀から△5五角と仕掛けたのも機敏だった。その後、小競り合いから8六に銀を打たされ不利になった先手が▲6五角から▲7四角と揺さぶりをかけた所。ここで、佐藤棋聖はどのように受けたか。指されてみれば当然かもしれないが、見ているときはちょっと驚いたその一手とは? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問83-1解答)「戦いが始まる前に、角のラインから外れておく」 ここでは、すぐに攻められる訳ではないが、とりあえず△2一飛と角のラインから飛車を外しておきたい。 他の手、たとえば△7二金のような手を指しても、歩がある訳ではないからすぐに▲3五歩と突かれても大丈夫だが、戦いが始まると、駒が入るため、角のラインで飛車を攻められたり、逆に攻める時に△2五桂と跳ねられないなどのデメリットが多い。したがって、戦いが始まる前に飛車を引いておくのが”正しい感覚”となる。 |
(問83-2解答)「玉を安全地帯に(どこが安全かを見極める)」 ここで佐藤棋聖は△4三玉と上がった。一瞬驚くような手だが、王手を防ぐ為に△6三歩と打つのは攻めに歩が利かなくなり不満で、△6三銀は▲6五角と飛車取りに角を引かれ後手になる。そこでかわす手が考えられるが、△6二玉は、遊び駒になっている8六の銀や飛車に近づく危険性がある。という訳で△4三玉が指されてみれば、安全なかわし方かもしれない。 実戦はこの後、△2五桂で▲2八銀のカベ銀を強要し、7筋に飛車を回る大きな構想で優勢を拡大した後手がそのまま押し切った。 |
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