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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年2月12日出題)

第86問(2007年2月11日:島八段-野月七段戦)
(問86-1)
後手で三間飛車から石田流に組み替えた野月七段に対し、先手の島八段は居飛車穴熊に囲ってじっくり対抗。その後、先手から動いたもののうまい切り返しにあい形勢を損ねた。しかしそれでも勝負手を連発し、今、▲3五金という飛車を殺す手を見て後手の応手を見たところ。解説でも、△5七角と単に受けるのは▲6八金寄で大変との話をしており、実際難しそうに見えたが、野月七段は軽妙な受けでこの場を切り抜けた。その一手とは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問86-2)
少しずつ後手が良さそうな手順で進んだ本局だが、今先手が▲4四角と打った所。これは、後手が何もしないと、▲7一龍△同玉▲6一桂成の両王手があり大逆転となる有名な筋である。という訳で、当然ここは受ける一手。こういう局面での自然な受けは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問86-1解答)「飛車を軽くする受け」
ここで野月七段は△2五桂と跳ねて飛車の逃げ場所を作った。直接3五を受けるのではないため気づきにくい手で、▲3五金なら桂は取られるが、ここに金を投入するのでは先手が辛い。という訳で、島八段は▲2六角成からと金を消す粘りに出たが、この後も冷静な指し回しで、後手優勢なまま終盤戦へ入った。



(問86-2解答)「持ち駒を投入してガッチリ受ける」
ここでは△6二銀がピッタリした受けだ。歩が打てれば歩でも良いが、△6七歩成はいきなり▲7一龍でいけない。
この後、島八段も▲6九桂!(←これも受けの問題として  の難問手筋)と打ち、難解な終盤戦が続いたが、中盤から押していた後手が、その差を守りきりきっちり一手差で逃げ切った。


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