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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年2月19日出題)

第87問(2007年2月18日:南九段-窪田五段戦)
(問87-1)
先手南九段の居飛車穴熊模様に対し、藤井システムに組み上げた窪田五段。その陣形を見て、穴熊に組まず、居飛車側から仕掛けて戦いが始まった。
その後、駒得した先手に猛攻を仕掛けた後手。今、後手の攻めを緩和して反撃できるかどうかと言った局面。ここで先手は▲6五歩と桂を取りたいが、このまま取って良いのかどうか。ここで南九段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問87-2)
後手が猛攻し、△6七歩成▲同金に△8八角成と成り込んで、受けが難しそうに見えたこの局面。何もしないと次に△7五金打からの詰めろになっている。しかし、後手の攻めが成功したように見えた局面だったが、ここでうまい受けがあった。南九段の指した軽妙な一手と感想戦で話されたその後の展開は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問87-1解答)「角のラインに駒を置かない受け」
ここで南九段は▲9九銀とと金を払った。部分的には成香をソッポに行かせる手筋だが、この場合は、単に▲6五歩と桂を払った時、△8八成香▲同金の形になるのを避けた手筋。8八に金がいると△9六銀やいきなり角を切る手があるためだ。



(問87-2解答)「焦点の歩(大駒は近づけて受けよ)」
ここで南九段は▲5五歩と突き出した。これがうまい手で、飛車で取っても馬で取っても▲6六銀と当てて寄せるのが大変。本譜は△同銀と取ったが、感想戦で話された手順は▲2四角△同歩に▲8八飛と馬を抜く手。こうなれば大変な将棋だった。
しかし、本譜はその手を逃し、▲8三成桂と上部を開拓したものの、金銀が入る形でもあり、さらに△8二歩から△8一歩も利かされるので容易に入玉は出来ない。結局、この勝利で六段に昇段した窪田五段に、後手玉を一度も動かすことなく先手玉は寄せ切られてしまった。


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