第96問(2007年4月29日:鈴木(大)八段-北島六段戦) |
(問96-1) 先手の鈴木大介八段が、ゴキゲン中飛車の出だしから角道を止めた為、後手の北島六段は居飛車穴熊に組んだ。その後、先手が機敏な動きで先攻し、やや指しやすいと思える局面が続いたが、後手も辛抱し反撃を開始、逆に先手が受ける展開になった。そして今、△4七歩と歩を垂らし、次にと金攻めを見たところ。この攻めが厳しく、後手の食い付きが成功したかに見えたが、鈴木八段は頑強な受けの一手を指し、容易に腰を割らなかった。 ここでの先手の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問96-2) 少しずつ余しているようにも見える先手だが、後手の玉も固く、どのように指すべきか難しい局面。今、△4八桂成と3六の桂を成って、手を渡された所。ここで指された鈴木八段の一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問96-1解答)「反対側でも馬に当てる受け」 4八の地点を受けるなら▲3九金打とかになるのだが、△4八銀や△4六桂と次々に足され、あまり受けになっていない。先手が大変かと思ったが、▲6八金打が力強い受け。普通は玉から遠い所に打つので、あまり駒の効率としては良くないが、馬に当てて、先手を取らないとダメとの判断だ。 実戦はこの後、△4六馬に▲6六飛成として△3六桂を打たせたが、先手玉が寄るか、食い付くがギリギリの攻防が続いた。 |
(問96-2解答)「玉の早逃げ八手の得」 この局面そのものは3五に馬が利いているのですぐ詰む訳ではないが、局後、鈴木八段が、「(玉を寄るのは)仕方ない」と言うようなことを話していたように、もう一枚金を取られると、△2四金でいきなり必死のかかるおそれがある。 そこで、厳密にこの場合、八手の得と言える程の早逃げではないのだが(3五で精算されると後手になるので)、2六の地点にいるのが危険な為、鈴木八段は一旦▲3六玉と一手をかけて寄り、玉の安全度を重要視した。 実戦はその後、(角が入ると△8八角が見えるだけに)後手は△3五金と打ち、精算し、難しい終盤戦が続いたが、先手の▲5四角の攻めに強気に△4三銀としたのがまずく▲同角成から一気に寄せ切られてしまった。局後の検討では△3一金と引いておいてまだまだ難解な戦いが続いたようだ。 |
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