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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年5月28日出題)

第100問(2007年5月27日:森九段-神崎七段戦)
(問100-1)
先手森九段が四間飛車から立石風に6筋の位を伸ばした手に対し、浮き飛車で受けた神崎七段。その後、双方が金を繰り出すという力強い応戦になり、ねじり合いの中盤が続いた。
そして、この3手前△7九角に▲5八飛と解説通り進むのかと思ったら、森九段は▲6九飛。これは△8八角成で次の△8七馬がありまずいのでは、と見ていたのだが、ここで森九段は攻防の一手を用意していた。
この局面までくれば見つけるのはそう難しくはないが、その攻防の一手とは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問100-2)
森九段が1筋を攻め、金を張り付いてから、今度は▲8四香から▲7一銀と飛車を攻めつつ挟撃態勢に入った。この局面、飛車を逃げる適当な場所がなく、かと言って飛車を取られるのは▲1二飛が非常に厳しい。
受けようがないと思っていた所へ指された神崎七段の受けの勝負手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問100-1解答)「攻防の角打ち」
ここで森九段は▲9六角と攻防の角を放った。この局面、▲1五歩と端の弱い所から攻めたいが、△8七馬が非常に厳しくすぐの端攻めは間に合わない。しかし、▲9六角が△8七馬を受けつつ、▲6三角成を見た攻防の一着。実戦は、△7四歩と「大駒は近づけて受けよ」の手筋で受けたが、待望の▲1五歩が入り、先手の攻勢が続いた。



(問100-2解答)「終盤は正確に読み、最善の粘りを」
▲7一銀と打たれた局面、次に▲6二銀成と飛車を取られると、どちらで取り返しても▲1二飛で詰み。と言って、△7二飛も△9二飛も平凡に▲8三香成と成られて困る。▲6三香と埋めるしかないか、と思っていた所へ指された△6三飛。▲6三同角成△同金▲1二飛に△4一玉で頑張ろうと言うもの。確かに持ち駒が何もなくなるので、飛車の横利きをさえぎり、上部へ出られる形になると逆転もありうる。
但し、実戦は、▲8一香成から▲8二成香、さらに1三の金を間に合わせるという距離感を正確に捉えた攻めで、後手の脱出を許さなかった。


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