第101問(2007年6月3日:高野五段-畠山鎮七段戦) |
(問101-1) ガップリ四つの相矢倉になった本局は、後手の畠山七段が、攻めを呼び込む形で戦いに入った。 そして今、▲4四歩△同金に▲4八飛と回って角筋を避けながら力をためた所。ここで攻め合いも考えられなくはないが、まだ△7三桂が入っていないため、攻めが薄い。そこで、畠山七段は、しばらく面倒を見ることにして受けに回った。ここで指された後手の一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問101-2) 矢倉の戦いらしく先手後手共に玉頭から攻めたが、途中△3七銀と飛車を取りに行った手がなかなかで、後手の攻めが一手早い形になった。特に△9五桂を防ぐためだけの▲9六歩の一手が辛く、△5八成銀とこの銀が使えては後手優勢。今、最後のお願いと▲6一角と打った所だが、ここで勝ちを決める後手の一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問101-1解答)「一手と一歩の価値を考える」 ここで畠山七段は、△4三金と引いた。この手は次に△4四歩で桂を殺すのが直接の狙いだが、本譜のように▲4四歩△同金となれば手番が変わる。つまり、先手から考えれば、一歩で一手を稼いだとも言える。 このような「一歩で一手を稼ぐ」局面というのは時々出現する。どちらが得をするかは常にその時の状況による訳で、この場合、先手は手得を主張し、後手は歩得を主張していることになる。 本譜は、手駒を多く蓄えて反撃した後手の攻めが厳しかった事から、手番より一歩が大きかったと言えるのかもしれない。 |
(問101-2解答)「受けの基本-攻め駒に当てる」 ここで畠山七段は△5二銀と角に当てて金を守った。 こういう局面の場合、銀を持っている事で相手玉に脅威がある時は、当てずに受けることもあるが、普通は当てて受けた方が良い場合が多い。 ここでも△5二銀が最後の決め手で、以下▲同角成△同飛となり、▲3五銀にも△3二歩としっかり守って、以下数手で先手を投了に追い込んだ。 |
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