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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年7月9日出題)

第106問(2007年7月8日:行方八段-遠山四段戦)
(問106-1)
後手遠山四段のゴキゲン中飛車に対し先手の行方八段は角交換から▲9六歩を突く最新の形で応対。その後、中盤の難しい動きの所で、飛車先を切った先手に対し、機敏に仕掛けた後手が桂得という十分な成果を得た。
さらにそこから、先手後手共に見応えのある中盤の応酬を経て、今▲4三銀と打ち込んだところ。ここでは、第一感であると同時に当然の一手とも言うべき手がある。その一手とは?

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問106-2)
終盤戦に入り、後手が中盤で得た大きな貯金を残し、勝ち切れそうな局面が続いたのだが、図の△5七金が悪手(局後の感想)。次の手を境に局面がひっくり返った。その先手の一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問106-1解答)「金は引く手に好手あり」
ここで遠山四段は△3一金と引いて受けた。この手は将棋の手筋としては当然の一手で、良く六枚落ちとかで初心者の人が上手に駒を打ち込まれた時、△同金▲同歩成としてしまうことがあるが、それは最も悪い。どうしても引けない場合(引くとさらに悪い場合)は、放置するか金駒や歩を打ってヒモを付けた方が良い。但し、このように駒を打ち込まれた場合の基本は引く手(金駒をかわす手)から考えたい。



(問106-2解答)「金駒を残して精算する」
この局面は、6七の金をタダで取られてはいけないので何か応接するしかない。もし金があれば、▲7八金として千日手含みで受けることも考えられるが、その金もないので、ここでは精算する以外に適当な受けがない。しかし、▲5七同金△同成桂▲同角では、△6七金でも△5六飛と走られても5七にいるのが角なため、すぐに寄ってしまう。そこで、自陣に金を残す為に角の方で▲5七同角と取るのが正しい受け。

本譜は、△同成桂▲同金△4五桂と攻め、それでもまだ後手が残しているかと思われたが、実際はこの後、有効な攻めがなく、先手が▲1八角の好着を放って逆転。最後は後手玉をきれいな即詰みに討ち取った。

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