第107問(2007年7月15日:広瀬五段-島八段戦) |
(問107-1) 先手広瀬五段の四間飛車穴熊に銀冠で対抗した島八段。最新の定跡形から細かい折衝を経て、総攻撃に移った広瀬五段が優勢になった。そして今、▲5二金と銀取りに金を張り付けた所で、一歩を4筋に垂らしたり、▲4七歩と桂得を見る手もあり、先手がこのまま寄せ切るかと思われたところ。 ここで島八段の指した一手は?普通は(金駒を持っていないので)△3一銀と引いておくところだが、その手の前にちょっと工夫をした。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問107-2) 上の問題の直後、先手の疑問手もあり、形勢は混沌。さらに後手に傾き始めた。今、▲4二金打から△同銀▲同金となった所で、これは詰めろでこそないものの、次に▲3一飛成や▲1四桂などがあってこのままでは寄ってしまう。こういう局面(主に振り飛車の美濃で良く出現)で基本となる受けの一手は?この手で先手の攻めを受け止め、後手の勝ちを明確にした。 |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問107-1解答)「相手を歩切れにさせる受け」 ここで島八段の指した△8二飛が形勢を引き戻した一手になった。先手に二歩以上あれば▲6二歩で何でもないが、一歩しかないため▲6二歩では歩切れになり(本譜は▲6二歩△3一銀▲4四角△8六飛▲5三角成△5六飛で)難しくなった。 局後の検討では、平凡に▲4二金と取り△同飛▲5三銀△7二飛▲4四銀成でやはり先手良しとのことであったが、筋は▲6二歩だった為にこの手を指してしまい形勢不明になった。 |
(問107-2解答)「玉下の一段金」 ここで島八段は△2一金と守ったが、このような手は美濃囲い(△8二玉△7二銀型)の時に△8一金と打つのと同じで耐久力がある。▲3一銀には1筋へ逃げて何でもない。但し、相手の持ち駒に角があり、2四の角がいなかったりすると、いきなり▲2一飛成△同玉▲2二銀△同玉▲3一角というとん死筋があるので気をつけたい。 実戦はこの後、先手も追い込んだが、後手が手堅く受け切り勝利した。 |
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