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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年7月30日出題)

第109問(2007年7月29日:千葉女流三段-佐藤四段戦)
(問109-1)
後手佐藤四段のゴキゲン中飛車に対し、角交換から端歩と最新の定跡形で応えた千葉女流三段。序盤は定跡通り進んだが、ここから構想力を試される局面になった。
そこで、本譜は▲9八香と上がり、下図△4二金に▲9九玉と穴熊を目指したが、直後に△2五桂の強襲をくらい形勢を損ねた。ここでは、どのように用心しておくべきだったか?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問109-2)
序盤でポイントを稼いだ後、さらに千葉女流三段の疑問手もあり、△2九飛成と先手で飛車を成り込み、後手十分の形勢になった。今、取りになっている6九の金を▲7八金と上がった所だが、ここで佐藤四段の落ち着いた次の指し手が決め手に。
ここで指された次の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問109-1解答)「中盤は常に相手の攻め筋を警戒」
本譜は▲9九玉と入った手に対し△2五桂と跳ねられ、まだ難しい順はあるものの形勢を損ねた。ここでは、感想戦でも言われていたように、▲3六歩と突く手が△2五桂を牽制する一手で、この後、▲9九玉と入るなら、穴熊に組めて一局だった。▲3六歩にも△2五桂なら▲同飛と取り、△2四歩▲2八飛△2五歩に5九や1五から角を打つ手があり、桂損の攻めでは成功しない。したがって、感想戦では、佐藤四段も▲3六歩なら桂は跳ねないと話していた。



(問109-2解答)「金は引く手に好手有り」
ここで佐藤四段の指した△5二金引が、渋い一手で、ほとんど決め手になった。実戦はこの後、▲3一飛成と成り込んだが、△9五歩▲同歩△9七歩▲同香△8五桂が△6四角の龍取りを見せられながらの攻めで非常に厳しく、指す手がなくなりほどなく先手が投了した。


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