第112問(2007年8月19日:長沼七段-窪田六段戦) |
(問112-1) 先手長沼七段の居飛車に窪田六段の四間飛車という対抗形になったが、居飛車側が両端を突き越すという珍しい局面から急戦を仕掛けて戦いが始まった。 そして、中盤、振り飛車が反撃し、一旦は模様が良くなったかと思われたが、二枚腰の粘りに長い終盤戦が続き、今、駒不足を補うため、△1九龍と香を取ったところ。ここで攻め合うと、いつでも△8六桂から△8七角の筋や、6九の金に当てた角打ちなどがあり、玉の薄い先手はとても勝ちきれない。ここでは、当然の一手とも言うべき受けの手がある。長沼七段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問112-2) 後手の攻め、先手の受けが延々と続き、少しずつ先手が余している感じではあるものの、容易に離れず後手も食い付いている局面が続いている。 図はすでに164手目。見ている時は、△6五角がなかなかの手で、また難しくなったかと思われたが、ここで駒得を生かし、さらに渋い一手が出た。その一手とは? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問112-1解答)「龍の利きをさえぎる底歩」 玉の近い方にいる飛車を内飛車、遠い方を外飛車というが、このように内に飛車がいる場合、相手の龍の利きを底歩で止める手が手堅い。 これで様々な嫌みをなくし、先手が良くなったかと思ったが、単に打った△3三香が好手で、▲4三角成に△3六歩からその底歩を払い、難しい戦いが続いた。 |
(問112-2解答)「金持ちケンカせず」 この局面、駒割りは先手の銀二枚と香の交換で、さらに5三の香を取れば、銀二枚得になる。 このような場合、(飛車を逃げる手もないわけではないが)自陣に得した駒を投入して分かりやすくした方が良い。ここで長沼七段は、▲6七銀打として玉のコビンを補強しつつ飛車にヒモを付けた。飛車と角は基本的には同じ価値なので、5六で交換されても依然先手の駒得ははっきりしている。 実戦は、この後、手筋の歩の連打で先手玉を薄くし、後手も猛追したが、最後は必死をかけられ、先手玉は詰まず投了となった。 |
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