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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年8月27日出題)

第113問(2007年8月26日:郷田九段-飯塚六段戦)
(問113-1)
後手飯塚六段の一手損角換わりから良く見る定跡形のまま進んだが、不注意な後手の一手により一気に先手が優勢になった。
そして、このままではじり貧になると見て、後手が総攻撃をかけ、今△7五歩と突いたところ。ここでは、正解は必ずしも一つではないが、角換わり腰掛け銀によく出る手筋であり郷田九段の指した一手を当ててもらいたい。

(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問113-2)
先手が丁寧に受けてから反撃したため、ここでは既に先手の必勝となっている。しかし、終盤は少しでも紛れる筋を求めて最善に頑張りたい。ここで、後手飯塚六段の指した一手は?



(難易度・・・



(これより下に解答)

(問113-1解答)「あらかじめかわす受け」
角換わり腰掛け銀で、先手が▲3五歩と攻めた場合に、△4四銀とかわして受けるのは定跡の教えるところだ。ここでは、局面がちょっと違い、後手に(無条件に)歩の入る所がない為、▲7五同歩も考えられるところだが、郷田九段は▲6六銀と形良く未然にかわして受けた。
この後、後手は局面を複雑にする為、△4五歩からさらに戦線を拡大して勝負に出た。



(問113-2解答)「強く受けて相手の迷う手を多く残す」
終盤悪い局面では、明快に一直線に負ける順だけは避けなければならない。この局面は先手にいろいろな勝ちがあるが、△5二銀と馬に当ててゲタを預けることで、相手を惑わすのが実戦的な勝負手。
馬が逃げれば、脅威が薄れるし、切ってくれば、角が入るので、少し持ち堪えれば反撃の味も残る。但し、この実戦ではすでに大差で、また、郷田九段も正確に攻め必死をかけた為、逆転には至らなかった。


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