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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年9月3日出題)

第114問(2007年9月2日:佐々木五段-三浦八段戦)
(問114-1)
先手佐々木五段のゴキゲン中飛車に、角交換から左美濃へ構えた三浦八段。中盤、双方共に動きの難しい手将棋模様となったが、三浦八段が機敏に仕掛け、戦いが始まった。
そして今、5六の銀を△6七銀成と成り込んだところ。ここでの先手の手筋の一着は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問114-2)
▲5三銀と打ち込んだ後、まだ8六の馬が利いている為、すぐに4二の金を取らず、一旦▲6四歩と馬筋を止めたところ。これは次に▲6三歩成と成ると言うのではなく、▲4二銀成と金を取って▲5三歩成を狙いとしている。
そこで、この筋を受ける為、指された後手三浦八段の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問114-1解答)「金は引く手に好手あり」
本来なら▲3五銀と引いて、早めに根っこの角をいじめたい所だが、今引いても先に金を取られ間に合わない。かと言って、▲6七同金と取ってしまうのは、△同角成と逃げられながら馬を作られつまらない。
ここで、佐々木五段の指した一手は▲6九金と金を引く手でここでは当然の一手。△7七成銀と桂は損をするが、成銀が一時的にソッポへ行き、4四の銀も使えることで、局面はまだまだ難しい。



(問114-2解答)「受けの基本-かわして受ける」
打ち込まれた駒を取る手は通常悪手になりやすい。ここでも、△3二金寄が当然の一手。これで5三の銀を重くし、▲5四歩や▲6四歩、さらには▲5八龍から遠ざかっている。
本譜は途中何度か形勢が揺れ動いたが、ここでは先手の攻めが重くなり、▲6三歩成に△8五馬が好手で形勢が後手に傾いた。その後、8二の飛車取りに構わず馬を切り、先手に粘る余地を与えず一気に寄せ切った。

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