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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年9月17日出題)

第116問(2007年9月16日:森九段-鈴木(大)八段戦)
(問116-1)
後手鈴木八段のゴキゲン中飛車に、角を持ち合った後、先手の森九段は居飛車から中飛車にして迎え撃った。その後、玉頭の位を取った先手に対し、3筋から動いて戦いが始まった。
そして今、▲5二歩を叩き、▲4一角と割り打った局面。このまま▲5二角成△同銀から▲5五飛と両取りをかけられては終わってしまうので何か受けなければならないが、鈴木八段はどのように応対したか。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問116-2)
先手の強襲から▲8五歩と玉頭攻めを目指した手に対し、間に合うのか、と思うような△3六歩を打った鈴木八段。一連の読みの流れでこの▲8四歩にどのように対応したか。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問116-1解答)「遊び金を玉に近づける」
飛車取りなので△4二飛も考えられるが、▲6三角成△同金▲5五飛とさばかれると、駒得とはいえ、飛車は使えないし、受けきるのは容易ではない。
そこで、鈴木八段の指した手は△4二金と飛角交換に甘んじる手。これなら飛車は渡すことになるが、離れていた金を自玉の側につけることが出来、陣形も強固になった。



(問116-2解答)「手抜きで反撃できる駒を入手」
玉頭の歩を手抜くのはかなり危険だが、△8四歩を取ってもすぐに▲8三歩と叩かれるので、鈴木八段は手抜いて△3七歩成と桂を取った。
この手もすごい手だが、△8六桂からの反撃を見た一手。実戦も▲8三歩成△同金▲8四歩と攻め立てたが、後手も△8六桂から反撃し、それでも難しかったようだが、先手が逃げ方を間違え(感想戦では、▲6七玉が敗着で、▲8八玉△8七歩▲9七玉なら難しかった)、最後は即詰みに討ち取られた。


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