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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年9月24日出題)

第117問(2007年9月23日:藤井九段-畠山(鎮)七段戦)
(問117-1)
先手藤井九段の藤井システムに対し、居飛車から急戦を仕掛けた後手の畠山七段。巧みに反撃し、先手の駒がさばけたと思われた局面から容易に腰を割らず、ねじり合いの中盤が続いた。
そして今、8四の銀を▲7五銀と引きながら使ってきたところ。このまま金を取られる訳にはいかないので、△同金と取るか、△6五金とかわすか、△7三金引と引くかしかないが、ここで畠山七段の指した一手は?藤井九段の次の手も考えて決めて欲しい。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問117-2)
先手の攻めを凌ぎきり、後手が反撃を開始したところ。今、△3七歩成▲同銀に△3六歩と叩いた。これもこのまま取られてはいけないので、▲同銀と取るか▲2八銀と引くか▲4八銀と引くかの三択だ。藤井九段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問117-1解答)「かわした後の相手の手を考える」
この局面、何も考えなければ△6五金とかわすのが手筋。しかし、解説でも言っていたように、△6五金と飛車取りにしても飛車を逃げてくれず、▲7四銀の強襲を食う。△7五同金と取るのは駒をさばかせてしまうので論外。という訳で、良くも悪くも引くしかなかった。
実戦も引いて、この後、しばらくは後手の辛抱が続いた。



(問117-2解答)「壁銀を避ける引き方」
△3六歩に▲同銀と取るのは△3七飛と打たれてまずい(香や飛車を持っている場合は、逆に歩の拠点を残さないように取る方が良い)。そこで、どちらかに銀を引くしかないが、藤井九段は▲2八銀とこちらへ引いた。
▲4八銀もなくはないが、一時的に4筋が壁になり、2七あたりに駒を打たれると、たちどころに寄ってしまうことになりやすい。左側から攻められる味が薄いなら4八よりは2八に引いて、2七の地点を強化しておいた方が良いことになる。
実戦は、ここでは後手の逆転模様かと思われたが、しぶとく食い付いた藤井九段が、後手の最後の攻めを凌ぎ、僅かに残した。


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