第121問(2007年10月21日:島八段-渡辺竜王戦) |
(問121-1) 相矢倉になった本局は、先手の島八段が、趣向を凝らし、右四間からの攻めを目指して駒組みを進めた。そして今、▲4五歩△同歩に▲5六銀とジャブを繰り出したところ。一気につぶそうというものではないが、対応を誤ると後手も危険になる。ここでの後手渡辺竜王の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問121-2) 中盤の駒組みを優勢に進めた島八段だったが、渡辺竜王の勝負手を見落とし、形勢を損ねた。それでも必死に食い付き今▲4五銀と玉頭に張り付いたところ。 このような金銀がぶつかり合う局面というのは、一般の対局でも良くあるが、受けの手筋としてどのように応対するのが良いか。ここでの渡辺竜王の一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問121-1解答)「大駒は近づけて受けよ」 ここで渡辺竜王は、△4六歩と突き出し、▲同飛に△4四歩と受けた。歩の損得はないが、飛車を4六の地点に近づけておくと、受ける場合に、いろいろ受けやすいことが多い。たとえば、▲4六同飛△4四歩▲4五歩は本譜の手順だが、この後△同歩▲同銀に△5五銀というような受けも飛車を近づけさせた効果になる。また、△5五銀の所で、本譜△2二角でも先手が攻め続けようとすると、浮いている飛車に当たってうまくはいかない。と言うわけで、実戦も、この後一手かけて飛車を4八へ戻し駒組みを進めることになった。 |
(問121-2解答)「金駒はかわして受ける」 金銀を打ち込んだり、このようにガツンと当ててくる攻めは良く出てくるが、このような場合、取ってしまうのが一番悪く、相手の攻めを呼び込むことになる(その駒で相手の玉が寄る場合は別)。ここでは、渡辺竜王も指した△3五金とかわす手が手筋で、これで馬と金の両方をすぐには働かせないようにしている。 本譜はこの後、▲3六歩にさらに△2六金とかわし、6筋から飛車を成って攻め立てたものの、最後は入玉が止まらず、後手玉を攻め切れなかった。 |
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