第124問(2007年11月11日:佐藤(和)四段-佐藤(康)NHK杯選手権者戦) |
(問124-1) 先手佐藤和俊四段の▲5六歩からの中飛車に、後手の佐藤康光NHK杯が三間飛車で対抗したため、相振り飛車になった。 その後、向かい飛車に振り直した先手に対し、後手は6筋の位を取り、長く難しい中盤戦が続いた。終盤に入っても、ギリギリの応酬が続き、今お互いが駒を取り合った後、▲7四歩と手筋の歩を打ったところ。 ここで、佐藤NHK杯の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問124-2) 終盤、先手の攻めを僅かに余し、△5九銀と反撃に出た後手に対し、相振り常用の手筋の▲3九銀ではもちこたえられないと見て、▲4九金打と一枚投入して受けた。 「一枚使ってくれるなら」と後手もこの局面で受ける手が固い。ここで、佐藤NHK杯の指した一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問124-1解答)「王手で金駒を取られないようにする」 どこかで手抜いて攻め合うと言うのは、よく出るパターンだが、その場合も、王手で玉の側の金や銀を取られる場合は、ほとんど手抜けないと考えて良い。ここでも△5九角とかければ先手玉は詰めろだが、金を取られた後、受けられて損が大きい。ここは、先手に歩が一枚もないことを考慮して△同金と取るのが正しく、続く▲6六桂にも王手で金を取られないように、一旦△7三金と引くのが手堅い。 感想戦では、▲7四歩と叩かずに、単に▲6三歩成としておいた方が難しかったらしく、ここからは少しずつ後手が余している感じになった。 |
(問124-2解答)「(相手の持ち駒を見て)角筋を受けておく」 歩が一歩でもあると、△6四歩には▲7四歩があり、それほど受けになっていないが、一歩もなく、▲4九金打と金も使ってしまったため、佐藤NHK杯は、ここで△6四歩と角筋を受けて、有利を確定的なものにした。 本譜はこの後、▲7四銀△同銀▲6四角に△8三玉!と上がって受け、先手陣に金が入らないように攻め、最後は△2六桂捨てから即詰みに討ち取った。 |
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