第125問(2007年11月18日:木村八段-橋本七段戦) |
(問125-1) 本局は、先手木村八段の▲2六歩に橋本七段が△8四歩を突いた為相掛かりに進んだ。そして中盤、小競り合いから後手の角が死ぬ展開になり、先手が有利になったかと思えたが、後手も巧みに手をつなぎ、難しい戦いのまま終盤に入った。 そして今、△7五歩▲同歩△同飛とし、△6五桂と△2五飛回りを見たところ。▲7六歩は△2五飛と回られ▲2八歩と打つのでは(先手の)飛車がまったく使えなくなってしまう。かと言って、▲3七桂と飛車回りを防ぐと△6五桂と跳ねられ、角が逃げると7九や7八へ銀を打たれてしまう。ここで木村八段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問125-2) 後手が飛車交換を強要し、その飛車を引きつけた為、長い終盤になった。今、▲6一飛と飛車を下ろしたところだが、すぐに銀冠を攻める手があるわけではない。しかし、後手も△2八龍と入りたいが、▲2四歩と打たれる為、なかなか先手玉に手を付けられない。ここで、後手橋本七段の指した一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問125-1解答)「両方の筋を同時に受ける手」 ここで木村八段は、▲5九角という受けの妙手を出してこの場を切り抜けた。 この手は、△2五飛には▲2六歩とここで進入を阻止する手を用意し、同時に△6五桂の両取りも防いでいる。これに対し後手も△4八歩の手裏剣を放ち、▲同飛△2五飛から依然難解な終盤戦が続くことになった。 |
(問125-2解答)「終盤で例外的に香を逃げる受けの手」 ここで橋本七段は△9三香と香を逃げるためだけに一手をかけた。普通、終盤で香や桂を逃げるだけの手と言うのは緩手になりやすいが、ここでは香を取られた後の▲2五歩が厳しく、それ以外に先手からの攻め筋もないということで、一手をかけても逃げる意味がある為この手を指した。 実戦はこの後、▲2六歩△1九成銀▲7一角と進み、△8五歩から後手が先手の玉頭に襲いかかり、相当な所まで攻め込んだが、僅かに凌がれ、最後は後手玉に必死がかかり先手玉は詰まなかった。 |
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