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NHK杯に見る受けの手筋
(2007年12月3日出題)

第127問(2007年12月2日:森内名人-鈴木(大)八段戦)
(問127-1)
後手の鈴木大介八段が5筋の位を取るゴキゲン中飛車にしたのに対し、森内名人は糸谷流の駒組み。それを見て、三間飛車に振り直し駒組みが続いた。
そして今、金銀を繰り出して押さえ込みを図った先手に対し、△6七歩と垂らし、これに▲5五歩△6三銀となったところ。もちろん△6八歩成と成られてはいけないので受ける一手だが、どのように受けるのが形か。
森内名人の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問127-2)
一旦は押さえ込みに成功した先手だったが、後手も巧みに技を繰り出し、難しい終盤戦になった。今、5五で銀の交換が行われ、▲5五同金と飛車取りに出たところ。飛車を逃げると金がタダなので、後手窮したかと思われたこの局面だが、次の勝負手で後手が盛り返すことになった。その鈴木八段の一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問127-1解答)「玉で歩を取りに行く形」
駒落ち上手が指すような手であり、手筋というものではないが、こういうところは▲5七玉と上がって、玉で歩を取りに行くのが形だ。5筋6筋に厚い位を取り、一歩得を果たせば、自然と良くなるという大局観である。実戦は、△4五歩から△9五歩と何とか手を作らなければならない後手が、細かく動き、しだいに勝負形に持って行った。


(問127-2解答)「飛車成りを見せつつ、交換を強要」
ここで△8四飛と回った手がすごい一手だった。▲4二角成と成れば△8七飛成と成り、これは先手が大変。と言って、同角では、飛角交換でも4二の金取りがなくなり、やはり先手が大変だ。
本譜は▲8五銀と打って受けたが、△同飛▲同桂に△6六歩と打って勝負はもつれた。

本譜はこの後、先手にも攻め急ぎがあって、後手が攻勢。名人の粘りを振り切り、最後は即詰みに討ち取った。


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