第130問(2007年12月23日:郷田九段-藤井九段戦) |
(問130-1) 後手藤井九段が、角道を止めない四間飛車という趣向を見せたのに対し、先手の郷田九段が角交換して踏み込んだ為、手将棋模様の力戦となった。 しかしすぐに戦いにならず、両者が大駒の成り駒を自陣に引きつけた為、長い戦いに。その後玉頭から戦いが始まり、今△6五歩と歩を突いたところ。ここで郷田九段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問130-2) 先週に引き続き玉頭戦になったが、やはり玉頭をどちらが制するのかがポイントとなる。そして、その玉頭を制したのは先手の郷田九段。桂を捨て、銀で取らせることで7四の急所に歩を叩けるようにしたのがうまい手順だった。 このように(下図)歩を叩かれた時は、ほとんどの場合、金を逃げる一手で、△7二金と引くか△8三金と寄るかを考えるものだが・・・。藤井九段の指した一手は有段者にとっては驚きの一手だった。その手とは? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問130-1解答)「大駒の働きを歩で止める」 一段目や二段目にいる龍の利きを止める歩は良く出てくるが、ここでは五段目の龍の横利きを止める歩が好手だった。この一手で二枚の飛車の働きを止め、玉頭での戦いに主導権を握ることができるようになった。 |
(問130-2解答)「相手に歩がない時の場合の手」 ここでは金を逃げるのが普通だが、藤井九段は△7二歩と打って受けた。このような受けは、時々初級者に見られる受けで、▲7三歩成△同歩▲7四歩と攻められ、普通は受けになっていない。 しかし、この局面では先手に歩がない。問題図の▲7四歩に金を逃げると▲7三銀と打ち込まれ、飛車を取られる展開になりやすく、それより金一枚損しても、ここで踏みとどまろうとする場合の手だ。 もっとも、そうは言っても本譜はやはり金一枚タダで取られたのは大きく、続く▲8七馬の好手を指した郷田九段が、粘る後手を手堅く寄せ切った。 |
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