第133問(2008年1月20日:木村八段-佐藤(康)NHK杯戦) |
(問133-1) 先手木村八段の居飛車に対し、後手の佐藤NHK杯が、△3二金から△3三角、さらに角交換を桂で取った為、すぐに定跡形から外れ未知の戦いとなった。 その後、一手得を図った後手に対し、それを許さない受けがやや無理で、後手の模様が良いまま中盤から終盤戦に入った。今、▲5九金引と飛車に当て、△1九飛成と成ったところ。次に後手からは△2八龍と引き、たとえば▲6八金右なら△5六桂が非常に厳しい。そこで、ここでは、これしかないと言えるほどの攻防の一手があり、木村八段もそう指した。既に先手が苦しそうだが、少しでも差を詰めるその一手とは? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問133-2) 先手の勝負手に対し、冷静に対応した佐藤NHK杯。▲4七歩と角を守った手に対し、今度は後手に攻防の一手がある。ここからの先手の狙いは、▲7五銀から飛車を逃げると▲6四銀や▲6四香。またこの局面での先手陣の急所はどこか。佐藤NHK杯の指した一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問133-1解答)「終盤では攻防の駒を打つ・・・角編」 ここで▲5六角と打つのがこの一手。この手は、△2八龍▲6八金右に△5六桂と言う攻めを消している。また、成桂取りの先手でありながら、次に▲7四角と王手飛車をも狙いとしている味の良い手だ。 実戦は、龍引きを決め、成桂を引いて守ったが、王手飛車から▲5四歩も入り、後手玉に迫った為、やや難しくなった。 |
(問133-2解答)「終盤では攻防の駒を打つ・・・桂編」 ここで佐藤NHK杯の指した△5五桂が攻防の一手。角道を止め、6四への利きをなくすと同時に、6七の地点を狙っている。ここが玉のコビンで急所になる。と言って、6六の銀が動かなければ(先手が攻めて来なければ)△4七桂成で角の逃げ場がない(▲1九角は論外)。 本局は、この後▲7五銀に、飛車を逃げておく手もあったと思うが、△6六歩と踏み込み、▲8四銀に△6七歩成から一気に寄せに出て、そのまま押し切ってしまった。 |
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