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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年2月18日出題)

第137問(2008年2月17日:三浦八段-佐藤NHK杯戦)
(問137-1)
後手佐藤NHK杯の変則的な四間飛車に対し、居飛車穴熊にガッチリ囲った三浦八段。手将棋模様から後手が仕掛けて戦いに入った。そして、直後桂得を果たした先手だったが、強襲を食い、今△7八角と詰めろをかけられたところ。この手は、8七の金取りであると同時に△8九角成▲同玉△7八金▲9九玉△6九龍の詰みを見ている。
後手玉はまだ詰まないので受けるしかないが、どのように受けるべきか。うまく受けないとあっと言う間に必死がかかってしまうので注意する必要がある。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問137-2)
終盤に入り、一気に終わるかと思われた局面から双方秘術をつくし難解な終盤戦が続いた。今、▲3二桂成と今度は後手玉に詰めろがかかった所。先手玉はまだ詰まないので、ここも受けるしかない。但し、終盤は常にそうだが、単に受けるだけの手では勝てないことも多い。こういう所では、どのような手で受けるべきか。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問137-1解答)「穴熊の基本は”埋める”」
▲8八金と引くのは、△8七歩と打たれ、▲7八金△同龍で受けがなくなってしまう。角が手持ちに増えて、後手玉が詰むならこのような受けもあるが、この場合は成立しない。また、8七金を受ける▲8八歩は△6九龍で簡単に必死。と言うわけで、この局面は▲8八銀打と受けるしかない。
穴熊の受けの基本は、駒を埋めること。但し、全ての駒を使い切って攻めが切れてしまうのも勝てない。基本は”埋める”だが、すべからくその状況に応じて、ということである。



(問137-2解答)「欲しい駒+上部脱出」
この局面は、アマでも有段者ならまず△3七桂成と桂を取ると思う。と言うのも、桂を入手すると、今まで”ゼ”(絶対詰まない形)だった先手の玉が極めて危なくなるからだ(△8七桂▲同金△8九龍の筋で駒が増えると詰むようになる)。と同時に、▲3三角成には△2五玉で入玉が見えてくるという一石二鳥の手になっている。
もっとも実際にはまだすぐに先手玉が詰むわけではないので、実戦は▲2六銀としばり、△5五角(この手も攻防手)からさらに難解な終盤戦が続いた。

本譜は、この後もどちらが勝つのか分からないような熱戦が続いたが、最後に一手スキを見落とした先手がぽっきり折れて終局となった。


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