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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年3月10日出題)

第140問(2008年3月9日:長沼七段-佐藤NHK杯選手権者戦)
(問140-1)
先手長沼七段のゴキゲン中飛車に対し、飯島流引き角戦法という趣向で応じた後手の佐藤NHK杯。お互い玉を囲い合った後、後手の攻めをガッチリ受けて難しい戦いが続いた。
しかし、先手が金のかわし場所を間違え、やや後手の指せる局面になった下図、今▲5五角と天王山に角を据えたところ。持ち駒は桂だけなのですぐに後手玉が詰む訳ではないが、この局面では金を渡すことは出来ない。未然に受けておくべき手筋の一着とは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問140-2)
△6九桂成から△5九成香が入り、後手優勢の局面になっている。しかし、先手も▲5六飛と押さえ込まれていた飛車が世に出て来た為、次に▲3一銀△同金▲同馬△同玉に▲5一飛成とする楽しみが出てきた。すぐに詰みこそないもののこの攻め筋を残しておくと、逆転の味も残っている。勝ちを確定する佐藤棋聖の辛い一着は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問140-1解答)「大駒は近づけて受けよ」
美濃囲いに対する角筋は一つの有力な攻め筋であるが、それを受ける時、図のように軽く歩を突き出すのもまた基本的な手筋だ。これだけで取らなければ▲3四桂を受けていることになるし、取れば、(普通は6二に銀がいない事が多いので)△4三金と角に当てながら先手で受けることができる。この局面では、まだ金を持っていないので、△5三銀でも受けられる。
本譜はすぐに取らず受けに回り、後手優勢の終盤戦が続いた。



(問140-2解答)「相手の狙い筋をしっかり消しておく」
ここで佐藤NHK杯は△4二歩と打って、先手からの唯一の狙い筋である▲3一銀からの攻めを防いだ。この一手で後手玉は安泰、はっきり優勢になった。
本譜は、この後▲5二歩と垂らしたが、△4五金から△5六桂が厳しくそのまま一気に先手玉を寄せ切った。


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