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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年3月3日出題)

第139問(2008年3月2日:鈴木八段-渡辺竜王戦)
(問139-1)
先手鈴木八段の向かい飛車に対し、後手の渡辺竜王は左美濃から穴熊に組み替えた。中盤、金引きから飛車を回る面白い仕掛けを敢行した鈴木八段。飛車は捕まったもののと金を作り、攻勢を取った。
今、そのと金を作ったところだが、飛車に当たっているので当然逃げなければならない。このような局面では、どこに飛車を逃げるのが良いか。後手の指した次の一手は?



(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問139-2)
6三のと金寄りに、今度は後手が角取りに飛車を下ろしたところ。このような局面で最善に角取りを受けるにはどうすべきか。先手、鈴木八段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問139-1解答)「攻めの味を残しつつ受けにも利かせる位置」
逃げる箇所はたくさんあり、まず縦か横かということになる。受けにだけ利かせるなら△9二飛と言う手も実戦では良く出てくるが、ここでは△8一飛と一つ引くのが普通だ。これなら6八の角がいなくなればいつでも△8六飛と出ることが出来るし、このままでも一段目を守っていることになる。本譜手順でも、△8六飛と出ることにはならなかったが、受けには良く利いていた。



(問139-2解答)「相手の大駒を押さえるだけの角」
本来なら▲4六角から▲6四角のように攻めに使いたい角ではあるが、この角が動くと、△8六飛と相手にも飛車を使われてしまう。という訳で、鈴木八段は▲5七銀とこの角を動かさず壁として受けのみに使うことにした。

本譜はこれが好手で、一手争いの攻め合いになったが、穴熊をと金で崩した先手が、最後は後手玉を長手数の即詰みに討ち取った。


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