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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年5月12日出題)

第148問(2008年5月11日:藤原六段-片上五段戦)
(問148-1)
先手藤原六段、後手片上五段で矢倉模様に始まったが、途中から△5五歩を交換し、後手は急戦矢倉を選んだ。その後、中飛車に振り、△3五歩から△3六歩と仕掛けた後手に対し▲6五歩と先手は反撃。優劣不明なまま中盤から終盤へ。さらに飛車交換し、今△5八歩と手筋の歩を放ったところ。ここで先手の藤原六段はどのような手を指したか?次の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問148-2)
後手玉にも危険な瞬間があったと思うが、この二手前の△6五銀が好手で先手の攻めを凌いだ形だ。しかし今▲5四歩とさらに攻めの継続を図ったところ。一手でも受けを誤るとたちどころに逆転するがここで片上五段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問148-1解答)「壁角を解消する攻防手」
△5八の歩を▲同玉と取るのは大きな利かされで、△3七歩成の後いきなり△4七とが王手になる。ここでは藤原六段の指した▲9七角が壁角を解消しつつ敵玉にも利かせた味の良い手になっている。このような壁角を動かす手は、平手の居飛車側でも発生するが特に二枚落ちで良く現れる。それも味良く角を動かせば勝てるのに、ということが多いので覚えておきたい。
本譜は直後の△8五桂が「切ってこい」という強手で、以下も難解な戦いが続いた。



(問148-2解答)「馬は自陣に」
二手前の△6五銀も味の良い受けだったが、5四の歩を△同銀と取るのでは一歩で一手損をまねき意味がない。ここでは、△6四馬が▲5三歩成と受けると同時に4二の龍取りの先手にもなっているピッタリした受けだ。
この後は、▲5三桂と先手を取る手もあるが金を逃げられて後続がない。そこで▲4一龍と逃げて駒が入るのを待ったが、△4八歩成から△3七歩成と攻め、結局後手が渡したのは6六に打った香一本。最後まで駒を渡さず手堅く寄せ切ることに成功した。


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