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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年5月5日出題)

第147問(2008年5月4日:田村六段-中川七段戦)
(問147-1)
先手田村六段、後手中川七段で始まった本局は、相掛かりから銀交換になり、一進一退の難しい中盤戦が続いた。
そして今▲7五歩と角頭をいじめた手に対し、3七のと金を△4七とと寄って、△4六角の空間を作ったのだが、さらに▲4八歩とと金取りに歩を打ったところ。この手は△4六となら▲7四歩と取り込んだ時に△4六角という手をなくしている(△8二角と引くと▲8一飛が痛打になる)。▲4八歩は飛車の横利きを消してしまうので普通は筋悪で打ちづらいが、この場合に限り好手になり後手が困ったかに見えた。しかし、ここで後手はさらなる好手で切り返した。その後手中川七段の指した一手とは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問147-2)
△5五角と王手で飛び出し、先手玉に迫った後手。今△6六とと5六のと金を寄ったところ。この手は次に何を狙っているか。その手が読みに入っていないと先手の次の手も指せないことになる。


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問147-1解答)「先手で飛車の打ち場所を消す」
ここで中川七段の放った△7二角が好手だった。4五の銀取りであると同時に、▲7四歩△8二角の時の▲8一飛を消している。
以下▲3四銀△4六と▲7四歩△8二角▲9五歩と進み、まだまだ難しい戦いが続いた。



(問147-2解答)「(後手になっても)最も厳しい手を受ける」
ここで次の後手の手は、△7七とと金を取る手ではない。それなら手抜きで他の手を指しても構わないが、手抜くと△7六ととこちらを取られる手が厳しい。
そこで実戦は▲6六金とと金を払った。これは△同角で後手を引くが、△7六とと取られるよりははるかに良いと言うことでやむを得ない手。もっとも実戦はそれでもまだ先手が良かったらしく、感想戦でもギリギリの変化はあったものの、なかなか後手の良くなる順は出てこなかった。
本譜は7二の角で1八の飛車を取って攻めたが、▲7一飛が非常に厳しく、そのまま先手に攻め切られた。


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