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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年6月23日出題)

第154問(2008年6月22日:石田九段-北浜七段戦)
(問154-1)
後手の北浜七段が△4四歩と角道を止めた為、矢倉模様の出だしになったが、先手の石田九段が▲5五歩と中央の位を取って大模様を張った。その後、5筋で一歩を切り、6〜8筋で戦いを起こした後手は、角を切って強襲をかけた。
今△8六銀と7五に打った銀を棒銀のように出てきたところ。このような場面ではいろいろな受け方があるところだが、先手石田九段の指した受けは?良く出てくる手筋の受けで、この場合は5手一組の手順を答えてもらいたい。


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問154-2)
後手の攻めを角筋ともらった角で凌ぎ、今▲8一馬と飛車に当てて桂を取ったところ。うまく受けきり、先手が優勢になったかと思われたところだが、ここでじっと辛抱の受けが出た。後手北浜七段の一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問154-1解答)「飛車頭を叩いて金をかわす」
ここで先手の石田九段は▲8四歩△同飛▲8五歩と飛車頭を叩き、△8五同飛に▲7六金と飛車に当てながら金をかわして受けた。このような受けはいろいろな場面で頻出するので良く覚えておきたい。
この後、△8四飛に▲5四歩と突き出し8筋の攻めを間接的に緩和して終盤戦へ突入した。


(問154-2解答)「一旦辛抱して反撃を狙う」
ここで北浜七段は△5三飛とじっと飛車を寄って辛抱した。問題の局面、6三の飛車取りであると同時に8六の銀も浮いている為、普通はゆっくりしていると悪くなる局面だ。そこで飛車を見捨てて△6五銀(金)などの過激な手を考えてしまいそうだが、そうするともっと早く差が付いて負けにしてしまう。
△5三飛とじっと寄った手が渋い一着。▲8六金と銀は取られるが、△6五銀とぶつけて最後の勝負にかけた。

実戦は、▲6五同銀△同金▲5四銀△5一飛▲6三馬△5六桂と進み、逆転した。感想戦では、解答図で▲6六金と歩を払う手、▲6五同銀で▲5四馬と切る手(以下△同銀に▲4一銀)、さらに▲6三馬では▲6五銀と金を取る手などが出て、いずれも先手が悪くない感じではあったが、離されずに辛抱した△5三飛が結果として先手の疑問手を誘発し逆転しすることに成功した。

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