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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年6月30日出題)

第155問(2008年6月29日:杉本七段-福崎九段戦)
(問155-1)
▲7六歩△3四歩▲6六歩に△3五歩としたため、先手杉本七段の向かい飛車、後手福崎九段の三間飛車と相振り飛車になった。
その後、先手は矢倉模様、後手は穴熊に組んで、後手から戦闘が開始された。そして今、△6九角と飛車取りに角を打ったところ。考えられる手は一つではなさそうだが、ここで杉本七段の指した一手は?



(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問155-2)
▲8三歩△同銀▲7五桂の後、4手進み、今▲4一飛と一段目に飛車を打ち下ろしたところ。▲8三桂成からの殺到もあるが、桂を渡すと△3六桂の反撃も厳しい。
ここではそのような筋も見てどのように指すべきか。後手福崎九段の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問155-1解答)「飛車と角の価値は同じと考える」
形勢判断の材料として、飛車と角、金と銀、桂と香はほぼ同じと考えて良い。ここでの局面の場合、▲6八飛と一旦飛車を逃げる手もありそうだが、杉本七段は、飛車取りをそのままに▲3五歩と相手の飛車を押さえに行った。
実戦はこの後、△5八角成▲同銀△4四飛▲3三角と今度は後手の飛車取りに角を打ったが、ここでも飛車は逃げず、駒損しないよう△1六香と香を方を逃げることになった。



(問155-2解答)「欲しい駒を取りに行く」
ここで福崎九段は△7四銀と銀をかわした。数手前に打たれた時にそのままで今かわすというのはおかしな気もするが、状況は常に変化している。この局面で後手のもっとも欲しい駒は桂。▲8三桂成と来てくれれば桂は入るが、このままでは先手もすぐには取らず、駒をためてから一気に踏み込まれる。
そこで一手かけても△7四銀と上がったのが、銀取りを受けながら桂の入手も見た好手。

実戦は、この後△7五銀と桂を取る手が回り、最終盤双方の玉が詰むかどうかのきわどい勝負になったが、仕掛けた時は3一銀が残りやや大変かと思われた後手が、最後は華麗に龍を切り即詰みに討ち取った。


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