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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年7月7日出題)

第156問(2008年7月6日:櫛田六段-森下九段戦)
(問156-1)
先手櫛田六段の四間飛車に居飛車穴熊で対抗した森下九段。お互いガップリに組み合った後、5〜7筋で全面戦争になり、終盤どちらが早いかという攻め合いになった。
そして今、▲5二とと角に当ててと金を寄った手に対し△7五角と飛び出したところ。先手からは▲5四歩の攻めが早いが、この局面では後手の△5六歩も非常に厳しい。ここで櫛田六段の指した一手は?



(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問156-2)
終盤に入り、飛車を切り、後手の飛車の横利きを消した手が好手で、先手が一手勝ちになったかと思われた進行であったが、▲3二成桂と銀を取った手に次の後手の受けの好手で一気に形勢が混沌とした。ごくまれにだが出現するこのような場合の受けの手筋は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問156-1解答)「目標になりそうな飛車をあらかじめ逃げておく」
ここで櫛田六段の指した手は▲7八飛。この手は△5六歩に▲5八歩の受けを用意するとともに、遊び駒で攻めの目標ともされていた飛車を角と交換できる場所に移動した好手。
これで後手の金銀が一気に重くなり、先手が攻勢に立った。



(問156-2解答)「”ゼ”にする受けの妙技」
受けの手筋本などに載っていて、ごくまれにだが実戦でも出現する受けの手筋が本譜の△4一金。タダ捨てであるが、▲同成桂と取ると、後手玉が何枚渡しても詰まない「ゼ」(絶対詰まないの意味)になる為、△3九とと金を取って勝ち。
実戦は▲2二成桂△同玉▲4九銀と手を戻したが、△同飛成と切られ、寄せ切られた。感想戦では、▲2一成桂と桂の方を取っていればまだ難しい変化が残っておりどう転ぶか分からなかったが、△4一金を見落としていたらしく、あわてて指した次の手が敗着となり逆転を許してしまった。


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