第157問(2008年7月13日:島九段-中座七段戦) |
(問157-1) 先手の島九段が三手目に角道を止めた為、手将棋模様の相居飛車になった。 中盤の細かい折衝、駒の繰り替えから小競り合いと難しい手順が続いていたが、8筋のうまい攻防で後手が桂得を果たした。そして先手が▲7二銀から▲6三銀成ともたれて指した手に対し、後手も△4七桂成から今△5八銀と飛車取りに銀を打ち込んだところ。 ここではどのように指したら良いか。中級者以上であれば当然とも言える一手ではあるが、その先手の指した手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問157-2) 終盤、先手が成銀を残す巧妙な食い付きをして、もうどちらが勝っているか分からないような熱戦になった。今、後手が7五の銀を取った手に対し、先手が▲4四歩と手筋の歩を合わせたところ。△同歩には▲4三歩があり、普通▲4四歩のような手が入ると筋に入ったと考えられるが、ここで後手は頑強な受けの一手を指して先手の攻めを余しにかかった。ここで指された中座七段の一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問157-1解答)「飛車の逃げ場所はもっとも遠くへ」 初心者向けに解説するなら、まず▲5八同飛と取るのは、終盤と言えども飛銀交換の駒損をしてはダメ。また▲3九飛と逃げるのは△2八歩成と後手を引くのでこれもダメということ。 となると飛車の逃げ場所は7九か8九と言うことになるが、飛車が後に使える見込みがなければ、多くの場合、飛車の逃げ場所はもっとも遠いところが良い。近いと攻められた時に、早く飛車に当たってしまうということもあるし、特にこの場合は、7九が角の逃げ道になっているという意味もある。 |
(問157-2解答)「逆側に打つ数の受け」 ここで後手の指した△5四銀がなかなかの一手で先手の攻めを余した。 ▲4四歩に△同歩は▲4三歩のように歩で攻められる展開となりもっともいけない。4三の地点に数を足すなら△3二銀と玉の側に金銀を埋めるのが普通だが、局面によっては攻められた時に取られる駒になってしまう場合もある。 本譜のように逆側に打って受けることは珍しいがそれでも時々出てくる手筋ではある。 実戦は30秒の中だけに実際何が正着で、正確には寄っていたのかどうかすら分からないのだが、以下▲5七角△同成桂▲3五桂に△3三歩と打った手が強い受けで、先手の攻めをギリギリで余すことに成功した。 |
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