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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年8月25日出題)

第161問(2008年8月24日:長沼七段-佐々木五段戦)
(問161-1)
3週間ぶりの放送。
先手長沼七段の居飛車に後手の佐々木五段はゴキゲン中飛車で対抗。そしてどちらも穴熊にしてガップリ、手の出せない将棋になった。
その後、千日手も懸念されたが、先手の長沼七段がやや無理気味に打開。結果、形勢が悪くなり今△3八角と飛車取りに角を打たれたところ。どこかへ逃げるしかないが、どこへ逃げたら良いか?長沼七段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問161-2)
後手の穴熊が固く、仕掛け以降ずっと攻められている先手だが粘りに粘って手数は長くなった。しかし、△8五歩とアヤを付けられ、さらに今△6八金と張り付かれてさすがに受けがなくなったかに見えた局面。ここでさらに頑強に受けた長沼七段の次の一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問161-1解答)「飛車を受けのみに使う」
本来なら▲2三歩成から敵陣に飛車を成り込みたいので、2八とか2六に浮いておきたいところだが、歩成りが間に合わず、また7七金の形も悪く、攻め合われてもとても勝てない。
そこでじっと▲7九飛とこちらに回った手が悪いながらも辛抱の良い一手。解説で、「飛車を金のように使う」と言っていたが、まさにこれから長い辛抱の続く将棋の始まりだった。



(問161-2解答)「金を投入して打ち疲れを待つ」
飛車を逃げるのは、△8六歩と取り込まれ7八に利きがなくなる為あっと言う間に終局。しかし飛車を取られるのも大きく、もはや受けがないかと思った時に打たれたのが図の▲7七金。△8六歩に▲同金を用意して、7八の地点から利きを消さないようにした。
この▲7七金が103手目。この後も粘りに粘って一時は持ち堪えたかに見えた時もあるが、やはり中盤で損ねた分を取り返すところまではいかず、実戦は157手まで進んだが届かなかった。


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