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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年11月3日出題)

第171問(2008年11月2日:郷田九段-糸谷五段戦)
(問171-1)
先手郷田九段、後手糸谷五段の一手損角換わりで始まった本局は、郷田九段がシンプルに仕掛けて戦いに入った。
そして、下図のように角を切って飛車を成り込んだが、感想戦では、飛車を切って角を成り返った方が良かったらしく、ここからは丁寧に受けに専念した後手が次第に良くなっていった。
今、▲3五歩と突き、△同歩なら▲4三銀を見た手だが、ここでの受けはどのようにすべきか?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問171-2)
後手が丁寧に受けて、先手の攻めが切れ模様になった。下図はすでに後手優勢で、解説でも言っていた△4三歩くらいでもとても攻め切れないが、糸谷五段は、さらに差を広げる一手を放った。攻防手でもあるその一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問171-1解答)「金銀を玉に近づける受け」
ここで、△4二銀引と5三の銀を引きつけた手が何とも味の良い一手。戦いながら金銀を玉に近づける手と言うのは、大抵の場合良い手になる。
この場合は、3一の銀にヒモを付け、△4三飛と回る手まで見せることになり、一目でこう指したいところ。
この後、▲4五銀と△4三飛を受けつつ、▲3四銀のすり込みを見せたが、△2二桂としっかり受け止められ、先手の苦戦が続いた。



(問171-2解答)「攻防の角」
ここで後手の放った△2五角が5八の金取りであると同時に、▲3四銀(金)をも防いだ攻防の一手だった。△5八角成と成られてはあっと言うまに終わってしまうので、▲3六歩と受けたが、それから悠々△4三歩と打たれ手段に窮した。

本譜は、非常手段で金を助けたが、攻めがさらに遠のき、△8五桂から急所の△7七歩が入り、先手玉は一気に寄せ切られてしまった。


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