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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年10月27日出題)

第170問(2008年10月26日:金井四段-村中四段戦)
(問170-1)
先手金井四段、後手村中四段の新鋭対決となった本局の戦型はガップリ四つの相矢倉。49手目▲4五歩と攻め始めた先手であったが、金銀四枚で受けられ、いくぶん細い攻めとなった。
そして今、▲3六銀と銀の応援を繰り出したところ。この手は次に▲3五銀の突進を見ているので、当然のように△3五歩と打つのはお手伝い。
ここではどのように受けるのが良いか。後手村中四段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問170-2)
先手の攻めを余し、後手が反撃を開始した。しかし、△3六歩から△4六歩がやや甘く(感想戦)、先手にまた盛り返すチャンスが巡ってきた。
ここでは、△4七歩成も決して緩い手と言うわけではないのだが、何にも当たっておらず、実際には後手からのより厳しい攻めがある。その厳しい攻め筋を一旦は受け、次に攻めを狙いたい。ここで先手の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問170-1解答)「数の攻めには数の受け」
解説では、やらないと思うがと言いながら、△3三歩と受けるような手も紹介していた。確かに、筋は悪いが、ここだけ受けてしまえば後の展開は楽になりそうでそれもあるかなと思っていたが、実戦は△6二角。こちらは3五の地点を数で受けた本筋。
これに対し、このまま次に△3五歩を打たれては完封されてしまうので、先手の金井四段は、▲4五銀△同銀▲1三桂成の強襲をかけた。実戦は、先手の攻めが細く苦しい戦いになったが、切れないように細かく手をつなぎながら終盤へ突き進んでいった。



(問170-2解答)「最も厳しい攻めを受ける」
△4七歩成もそれなりに厳しいが、△8六角と出られてはすぐに終わってしまう。そこでじっと▲7五歩とこの角出を防いだのが渋い一手。終盤、受けるだけの手というのは効率が悪く、勝てないことも多いが、ここではとにかく△8六角と出られると敗勢になる。と言うわけで、△4七歩成より△8六角を防ぐ必要があり、こちらを一手かけて止めてそれから攻めに出た。

本譜は、▲6四歩△同角▲7一銀と打ち、まだ後手の残していそうな局面だったが、飛車を取り合った手順に誤算があり、一気に決着、後手玉が即詰に討ち取られてしまった。


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