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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年12月22日出題)

第178問(2008年12月21日:羽生名人-飯島六段戦)
(問178-1)
先手羽生名人の居飛車に一手損角換わりで応じた後手の飯島六段。先手の早繰り銀に継ぎ歩で反撃した為、一気に激しい終盤戦へと突き進んでいった。
その後、ギリギリの攻めながら飛角交換になり先手の攻めが決まったかに見えた下の局面。ここでは、と金を外す△3五角がすぐ目に映るがそれで良いのかどうか。後手の飯島六段が指した次の一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問178-2)
少しずつ先手が良さそうではあるものの後手もしぶとく応じ、容易に突き放されないまま終盤戦が続いている。今、急所の▲4六桂に△4五銀と逃げたところで攻めを続けるなら▲3四歩と打つところ。しかし、先手玉も△8七歩成や△5六歩があってかなり危険な状態にある。
そこで、ここで羽生名人の指した受けの一手は何か?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問178-1解答)「玉の早逃げ八手の得」
△3五角からと金を抜くのはひと目ではあるが、△5三角とした時▲6二銀不成が角取りと(まだ玉は4一にいるので)▲7一飛成がピッタリした攻めになる。そこでこの王手と金取りを見せつつじっと玉を寄っておくのが渋い好手。
以下、先手は▲8二銀成から駒を拾いに行ったが、その間に後手もと金を外し、9筋から攻め込み、勝負形に持って行った。



(問178-2解答)「(角でも)先手を取って自陣を強化」
持ち駒が銀なら▲7八銀と自陣に手を入れるのはピッタリした受けだ。角なのでここを受けるのはちょっともったいない気もするが、羽生名人はそれでも先手を取ってここに角を打ち付けた。
後手を攻めるなら▲3四歩なのだが、これが詰めろではないし、すぐに必死がかかる形でもない。そこで一旦自陣に手を入れ、それから▲3四歩を決行した。

実戦はこの後、9八の銀と7八角の交換になったがさらにその銀を▲7八銀と入れて手を稼ぎ、、▲3七桂打から詰めろを続けて後手玉を寄せきった。


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