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NHK杯に見る受けの手筋
(2008年12月15日出題)

第177問(2008年12月14日:広瀬五段-阿久津六段戦)
(問177-1)
先手広瀬五段の四間飛車穴熊に対し、後手の阿久津六段は4筋の位を取り、左美濃に囲った。
その後、▲5六銀から▲3七桂と跳ねて4五の歩を狙いに行った手が機敏で先手が攻勢を取った。下図は、後手に一歩でもあれば△4四歩で後手優勢だが、その一歩がない為、▲3五銀の筋を防ぎつつ△8四飛と回る手を見て△5四飛と浮いたところ。
ここでは何かを受けると言う訳ではないが、有段者なら絶対にこう指すだろうといういわゆる味の良い手がある。先手が指したその一手とは何か?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問177-2)
先手が少しずつ有利を拡大し、今▲5五角と天王山に角を据え、3七に利かせつつ王手をし、△3三歩と受けさせたところ。
この局面、△1七歩から王手され、先手玉も相当危ないが、まだ直接詰むわけではない。しかし、▲3三歩成△同桂▲3四歩と詰めろをかけると3三の桂が2五に利いてきて先手玉が詰んでしまう仕掛けになっている。
仮に先手玉の詰みがあるのかどうか読み切れなくてもこういう場面ではこう指したいという手がある。その受けの一手とは?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問177-1解答)「飛車筋を通し、上部を手厚くする手」
ここでは、▲4七金と上がる手が非常に味の良い手。これで6八の飛車がいつでも▲3八飛と回り▲3五歩からの攻めを見られると同時に、5八にいた金も玉に近寄りつつ上部を厚くしている。
感覚的なものではあるが、読まずに▲4七金と上がる手が第一感であれば筋が良いと言えよう。



(問177-2解答)「急所の駒に当てつつ受ける」
相手に歩がなければ飛車で王手して持ち駒を使わせるということも実戦では良く出てくるが、ここではじっと▲2六銀と受けておきたいところ。△3五の角は攻めにも受けにも利いている急所の駒で、この駒がいなくなると先手玉は安全、と同時にこの駒がいなくなると、4四の地点に利きがなくなる為後手玉も危険になる。
△1七歩からの殺到を防ぎつつ▲2六銀は仮に詰めろかどうか読めなくても一枚入れておきたい手だ。

実戦はこの手に△5七角成と成るのでは何でもないので、△1六香から殺到し、実際かなり際どく一手でも間違うとたちどころに逆転する筋もあったが、先手の広瀬五段は正確に逃げ切って勝利した。


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