第176問(2008年12月7日:鈴木八段-北浜七段戦) |
(問176-1) 初手▲5六歩と突いた先手の鈴木八段が中飛車に振ると、△3三角から持久戦模様に駒を進めた後手の北浜七段は、▲5五歩からの早い動きを見て左美濃に組んだ。 その後、膠着状態になり、お互いが銀冠に組み替え、中央から小競り合いが始まった。その小競り合いから進んで華々しい駒の交換が行われ、今▲1四歩と急所の歩を取り込んだところ。 駒割りは後手の金得だが、1四歩の拠点も大きく、ここを凌がないと駒得が生きないことになる。このような場面で指される手筋の一着とは?実戦は、その手の前に、細かい利かしを入れようとしたが、ここではどのように考えるべきか。 (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問176-2) 後手が今、4四の金取りを防ぎつつ△3七角成の殺到も見た△5五角打と攻防の角を放ったところ。終盤では攻防の手と言うのは極めて価値の高いことが多いが、この場合は(感想戦によると)あまり良くなかったらしい。 ここで先手の鈴木八段が指した一手は何か?何が急所の駒かを考えれば自ずと見えてくる。 |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問176-1解答)「手筋、玉のかわし」 端にいる玉の上の端歩を取り込まれた時に良く出る手筋としては、△2二玉とかわす手が挙げられる。この局面でも△2二玉が第一感。但し、実戦は△1六歩と利かしを入れた。これは▲同香なら△2二玉とし、香をつり上げたことにより先手玉が狭くなるというもの。 しかし、この歩に構わず▲4一飛と打った手が好手で、さらに△5五角打と打って(第2問)、最終盤に突入した。 |
(問176-2解答)「大駒を捨てても急所の駒を外す」 飛角の価値は基本は一緒だが、飛車の方が使いやすいのは事実。但し、5五の角と5九の飛車ではその価値に差があり、△5五角の方が良く働いている。と言うわけで、ここでは▲5五同飛と切りたいところ。 飛車を渡しても、すぐに先手玉が寄る訳ではないので、ここでうまい寄せをすれば勝ちになる。実戦の鈴木八段は▲1三銀から一気に寄せに出た。 実戦は寄るかどうかギリギリではあったが、手順良く▲2五桂打△同歩を利かすことが出来たため、詰めろが続き、後手に反撃のチャンスを与えぬまま、最後は即詰に討ち取った。 |
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