第181問(2009年1月11日:堀口七段-久保八段戦) |
(問181-1) 後手久保八段の二手目△3二飛に時間をかけて飛車筋を伸ばしていった先手の堀口七段。角交換後、双方が馬を作るという激しい順に突入した。しかし、その後、お互いが自陣に馬を引きつけ合い、じっくりした駒組みへと進み、先手は居飛車穴熊、後手は美濃から金銀を盛り上げていった。 一旦は、後手がうまくポイントを取ったかに思われたが、先手も馬を攻め、玉頭に嫌みを付けて反撃。さらにその反撃を巧みに凌ぐという好勝負になった。 今、7五で銀交換が行われ△7五同歩と馬道が開いたところ。次に△4七歩成があるが、ここで先手の指した一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問181-2) 中盤、何度も体が入れ替わり難しい終盤戦へと突入していったが、今▲6五桂を後手が△同銀と食いちぎり、先手を取ったところ。 ここで後手の久保八段はどのような攻めを見せたか?攻防手となったその一手とは? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問181-1解答)「相手の要の駒に狙いを」 ここで先手の堀口七段は▲5六銀と打って馬筋を遮断した。しかも、馬筋を止めると同時に相手の駒の要である△5五金に当てたのが勝負手。この金を外せれば▲4六飛と飛車の活用が見込める。 これに対し後手が△同金と取るのでは▲同歩で次の▲4六飛の味が良い。と言って(▲同歩の後)△4七銀では重いし、△5六同馬と馬で4六の歩を守るのは、玉が薄くなり、また▲5八飛や▲6六馬などさばかれて穴熊ペースになる。 という訳で、次の△5四銀!も受けの急所。ここは譲れないという訳だ。 この後、戦線は9筋に移り、難しい戦いが続いた。 |
(問181-2解答)「敵の急所は自分の急所」 ここで攻めるなら△8五桂が急所で目に付く。△5七銀や△5九銀などこちらを攻めるのはソッポだ。しかし、久保八段はここで△7四桂と打った。 この手は馬取りであると同時に急所の7四の地点を埋めた攻防手。先手から攻められる場合、常に▲7四歩を叩かれ△同銀と弱体化させられることが考えられる。自分の急所を馬取りの先手で補強し、▲7五馬に△8五馬とぶつけて終盤の主導権を握った。 実戦はこの後、王手飛車を防ぐ▲7七金に9七の銀を取り、△5九角と打った手が詰めろとなって、最後の先手の反撃をかわしきり後手が勝利を得た。 |
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