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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年2月9日出題)

第185問(2009年2月8日:羽生名人-佐々木五段戦)
(問185-1)
先手羽生名人の居飛車に後手の佐々木五段はゴキゲン中飛車。角交換後、向かい飛車に振り直した後手に対し、先手は穴熊に囲って細かい中盤の応酬が続いた。
そして今、△3八飛成に5八の銀を▲6九銀と引いた所。先手からは▲4二歩成があり、これより早い攻めがあれば受ける必要はないのだが、そうした手がない以上この筋を受けなければならない。
後手佐々木五段の指した一手は?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問185-2)
先手の攻めはと金を作る確実な攻め。対して後手は先手玉を穴熊から引っ張り出したものの、手駒不足で細かい技が利かない。今△5七金とからみついたところで、次に△6八金と取って▲同銀に△6六馬となれば逆転する。ここで先手の指した一手は?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問185-1解答)「働いていない駒の活用」
ここで佐々木五段の指した△5三銀が味の良い手。普通に龍の利きを止めるなら△3二歩がしっかりした受けだが、▲1一龍と香を取りながらまた金取りになってしまう。3筋には(龍が1一に入った時)△3一歩とここに歩を打ちたい。そこで△5三銀と引いたのが働いていない6四の銀を活用した手。以下、▲1七桂△同桂成▲同香△8四桂から難しい終盤戦へ入った。



(問185-2解答)「数の攻めには数の受け」
このような場合、5七の金を取ってしまうのが一番悪い。4八の馬は一手かけても動きたい駒なので、ここにはさわらず6八の地点を強化するのが正しい。と言うわけで、▲7八金打がこの一手。△6八金には▲同金でも同じ形になり千日手の権利を有し、もちろん実際には▲同銀で、元の形よりより堅固になっている。
本譜はこの後、△5九馬にさらに数の受けで▲7九銀と受け、完全に後手の攻めを受け止めた。

そして▲4二とから▲5二とを間に合わせ最後は後手玉を即詰みに討ち取った。


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