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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年2月16日出題)

第186問(2009年2月15日広瀬五段-佐藤NHK杯選手権者戦)
(問186-1)
戦型は相穴熊。先手が広瀬五段で振り飛車、後手が佐藤NHK杯で居飛車となっている。お互い穴熊に金銀四枚を付けて、先手が▲5五歩から仕掛けたが、後手もそれに乗じて反撃を開始、難解な中盤戦から終盤戦へ突入した。
今、後手が△5八飛成と浮いていた金を取ったところ。この局面のように飛車の間に角がいる場面というのは様々な実戦でも良く出現するが、このような局面で生じるダイナミックな手筋がある。
先手広瀬五段の指した三手一組の手とは?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問186-2)
華々しい駒交換の後も駒割りは五分。穴から追い出された後手玉の方が若干薄いが、今▲4四銀と圧力を加えた手に対し、うまい受けの手筋で主導権を握った。後手佐藤NHK杯の指した一手は?



(難易度・・・



(これより下に解答)

(問186-1解答)「角を切って飛車を抜く筋」
ここでは▲2二角成と角を切って▲5八龍と龍を抜くのが金を取られた時からの読み筋。むろん後手も読み筋なので局面の形勢は保たれているが、アマチュア級位者の場合は、時々見落とすこともあるので注意したい。



(問186-2解答)「敵陣に打ち込んだ角筋で受ける」
ここで△8八角と龍に当てて打ち込んだ手が遠く4四の銀から3三、2二にまで利かせた好手。このように敵陣に角を打ってその利きを受けに利かすという手は時々有力な手段となる。但し、▲7七に歩が打てるような場合にはすぐに利きを止められて逆に悪手になってしまうので注意する必要がある。

本譜はこの後、先手の龍を追いかけながら自陣を強化した後手が、先手の穴熊に襲いかかり、先手からの最後の攻めを余して勝ち切った。

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