第188問(2009年3月1日久保八段-行方八段戦) |
(問188-1) 先手久保八段の中飛車に、後手の行方八段が三間飛車に振った為、力戦調の相振り飛車となった。 僅かでもポイントを上げるための細かい折衝の後、行方八段が角切りの強襲を敢行、それが成功したかに見えた下図の局面。ここで4八の金取りを放置して▲8四歩と突いた手が驚愕の勝負手。ひと目△4八龍と金を取られ次の△3八金を見られて先手が勝てそうもなく見えるが実際は違ったらしい。感想戦で話されたここでの正着は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問188-2) 勝負手が功を奏し、先手が猛追。雰囲気は逆転だが、ここで後手は△3八金と打って、詰めろをかけた。後手玉が詰めば話は簡単だが、▲7一銀成には△8三玉がある。ここで、久保八段の指した一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問188-1解答)「自玉の危険度をどこまで正確に見極められるか」 実戦は、△4八龍と金を取り、▲8三歩成△同銀▲8四歩△同銀▲8三歩△7二玉と進んだが、最初の▲8四歩で本譜のように△4八龍と取って後手が一手勝ちだろうとの感触は有段者なら(あるいはプロの一目でも)当然と考えられる。ところが実際はそんなに簡単ではなかった。△7二玉の後の▲4一飛成が△3八金に▲3九銀打を用意した”平凡な妙手”で、むしろ先手持ち。 ▲8四歩を手抜くのが危険であったと分かったのは本譜の進行と感想戦でのこと。ここでは、じっと△8四同歩と取っておくか、△4五銀と飛車を押さえ込んでおくのが良く、これなら後手が優勢を維持できたようだ。 |
(問188-2解答)「終盤の受けは正確な読みで」 ▲7一銀成と金を取ってそれを取り返すと詰むので、とりあえず金を取って受けに使えるようにしておきたいところだが、△8三玉と上がられると先手玉の詰めろがそのままに銀の質が残ることになる。 ここで久保八段の指した一手は▲3七角。これが龍に当てたうまい受けで、△同金は▲同銀がまた龍に当たる。実戦は△4九龍と逃げながら詰めろをかけたが、▲3九歩が読みの継続手。 本譜は▲3九歩の後△2九金▲同玉△4五桂と跳ねたが、これが詰めろになっていなかった為、▲7一銀成△8三玉の後、▲8五歩△同銀▲7五角とずっと詰めろが続きそのまま後手玉を寄せ切ることに成功した。 |
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