第189問(2009年3月8日羽生名人-久保八段戦) |
(問189-1) 後手久保八段のゴキゲン中飛車〜向かい飛車に対し、先手の羽生名人は角交換から穴熊に組んだ。その後、お互い玉を固めた後、一手指した方が良く見える非常に難しい折衝が2、3筋で行われ、角香と金銀の交換で先手の飛車は成ることに成功。しかし、先手には歩がなくどこから手をつけるかは難しい局面になった。 下図は今、▲7五歩と7筋の歩を突いたところ。後手としては△9三香打と端に勢力をためており、早く△9五歩から攻めたいところだが、▲7四歩と取り込まれるのも大きい。ここはどのように指すべきか。後手久保八段の指した一手は? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問189-2) 羽生名人が巧みな手順で龍を好位置に付け、7筋から強襲、緩急自在な指し回しで有利な局面を築いた。 今、5四の金を▲6三金とすり込んだところ。後手としては△4七馬から△7四銀と払えれば受けきれることができるが、このままでは▲6二金と取られてしまいその暇がない。大きく駒損しないでチャンスを待つ受けの一手とは? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問189-1解答)「攻めの拠点を作られない」 ▲7五歩を取らないと▲7四歩△同銀▲7五歩と位を取られ、△8三銀に▲7四銀とこの地点から平凡に打ち込まれてたたみかけられてしまう。 と言うわけで、実戦も△7五同歩と取ったがこれが平凡な手だが正解。この後▲7五同銀では△7四歩と打たれ、一歩は手に入っても後手になるのが辛く△9五歩から攻守が逆転してしまう。 実戦は7筋だけ突き捨て▲6二金から龍の位置を変えた手順が巧みで(▲6二金△同金▲同龍△7二金▲3二龍)、7筋から強襲をかけることに成功した。 |
(問189-2解答)「駒損しない最善の粘り」 この局面はすでに先手の攻めが成功しているが、△6一歩と打って相手の失着を待つのが当然とはいえしぶとい一手。これに対し、角を取っても金を取っても取り返され、まだそう簡単には寄らず、△4七馬が間に合う展開になるかもしれない。 実戦はこの一手とも言うべき▲5四歩とと金作りを目指した。これが非常に厳しく△4七馬にも構わず▲5三歩成と成り、△7四銀▲同歩△同馬に▲7二金から馬を精算、穴熊の固さを頼りに一気に後手玉を寄せ切った。 |
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