第191問(2009年3月22日森内九段-羽生名人戦) |
(問191-1) 先手森内九段の▲6六歩に後手の羽生名人が△3二飛と飛車を振った為、先手も▲8八飛とし、相振り飛車となった。 その後、後手の攻めを真正面から受け止めたため、陣形がバラバラになり立て直すのが難しいと思われたところから▲3三角〜▲2四歩と飛車を押さえ込み手を渡した。しかしそれでも△2六歩や△3六銀、△5九角、△7九角など様々な攻め筋があり受け切るのは容易でないと見える下の局面。ここで先手森内九段の指した一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問191-2) 一旦先手が後手の攻めを余したかに思われた後、後手が猛追、先手玉を下段に落とし今度は後手が寄せ切ったかと思ったら端玉で耐えるという決勝戦に相応しい熱戦になった。そして、数手前△8五桂と打ったが▲5五角を打ち詰めろが続かなくなったところで今▲5二金と詰めろをかけたところ。 後手玉は▲6二金からのやさしい詰めろで△7七桂成▲同角を入れるなど角筋をそらせば詰めろは消えるが、先手玉も安全になってしまう。 ここで羽生名人の指した実戦的な受けの勝負手は何か? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問191-1解答)「駒落ち上手のように玉を守りに使う」 △2六歩など上からの攻めと△7九角と下からの攻めなど様々な筋が見えるためちょっと先手の陣形を立て直すのが難しいように思えるこの局面。 ここで森内九段は▲4八玉と上がって下段の角打ちを防ぐと同時に戦場になりそうな2筋3筋から遠ざかった。これがいかにも駒落ち上手のような玉さばきで、以下△2六歩から△3六銀も▲3七歩とせかし、後手の攻めを見事に受け止めることに成功した。 |
(問191-2解答)「分かりやすい詰みを超難解な詰みの局面へ」 ここでは後手が窮したかに見えた局面だったが、△9四歩と突いたのが実戦的な勝負手。結果論から言えば、▲6二金と取っておけば先手の勝ちは動かなかったようだが、やさしい詰みが端歩を突いた為、超難解な詰みに変化。その為30秒では踏み込めなかった。(▲6二金に△同玉は▲6一金から詰み。△8二玉なら詰みはないが、▲6三金で後手に勝ち味がない) 実戦は▲2一飛成△5一歩にさらに攻め方を誤り、詰めに行ったが後手玉は詰まず後手羽生名人の優勝が決まった。 |
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