第192問(2009年3月29日石橋女流王位-矢内女王戦) |
(問192-1) 本日は女流のNHK杯出場決定戦。その決勝が石橋女流王位と矢内女王の間で行われた。 戦型は先手石橋女流王位、後手矢内女王でガップリ四つの相矢倉戦。同じような形から馬を作って力をためた矢内女王に対し、先手が真っ正面から受け止めて難しい中盤戦が続いた。 そして今、△7四銀とぶつけて攻めの継続を図ったところ。ここで先手石橋女流王位の指した一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問192-2) 中盤の難しい攻防が一段落し後手の攻めが成功、有利になった。下の局面は、飛車を王手でおろし△2九飛成と桂を取るという自然な攻めで後手が十分。今一矢を報いようと▲1六桂と打ったところ。ここでは△1八龍と攻めの継続を図るのも非常に厳しい手ではあるがここで矢内女王の指した自然な一手は? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問192-1解答)「駒を引いて攻めに調子を付けない」 ▲7四同銀と当たった駒を取るのは初心者には必要な基本の一手だが、駒を引いたりかわしたりすることも強くなってくると必要になる。ここでも▲同銀と取るのは、△同馬で、▲6六歩と桂をタダで取れれば良いが7筋に歩が利くときはほとんど受けになっていない。 ここでじっと▲6六銀と引いた手が渋い受けの一手。これで相手の攻め足をやや遅くすることが出来た。 |
(問192-2解答)「玉の側の金銀は王手で取られないように」 ここでは▲2四桂と跳ねてもまだ詰めろにすらならないが、銀を取られながらさらに3二の金に当たるのはあまりに先手にとって味が良い。特に玉の側の金と言うのは、攻める時の目標であり、逆に言えば守りの要となっている駒。この駒を▲2四桂〜▲3二桂成と二段に跳ねられながら取られるのは実戦的には回避すべきだろう。 そこでじっと△3三銀と引いたのが当然とはいえ堅実な一手。これで▲2四歩と垂らすくらいしかないが、一歩しかないためこの後の有力な攻めがない。 実戦は▲2四歩に△1八龍が厳しく、▲2三銀以下精算後、▲6八金打から▲8七銀と守ったが、駒得した後手が一気に攻め切り、矢内女王がNHK杯初出場を決めた。 |
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