第197問(2009年5月3日森下九段-小林(裕)六段戦) |
(問197-1) 戦型は先手森下九段、後手小林六段で相矢倉。お互いガッチリ組み合った後、双方が細かく動き難しい中盤戦で、銀桂交換の駒得を果たしたとはいえ二枚の銀が遊ぶ形になりやや先手が不満な進行になった。 そして今、△4四金に3四の飛車を▲3九飛と引いたところ。ここで後手小林六段の指した一手は何か? (答えはこの下に) |
(難易度・・・) |
(問197-2) 後手はと金作りから飛車を取り、その飛車を打ち下ろした。図の局面は次に△7九飛成▲同玉△2四角があり、仮に角ののぞきがなくても飛車切りから△5七歩成が厳しい。そこでその筋を受ける為の手筋とはどういうものか。悪いながらも決め手を与えない三手一組の手順とは? |
(難易度・・・) |
(これより下に解答)
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(問197-1解答)「キズを消して手を渡す」 ここで小林六段はじっと△3四歩と打って自陣のキズを消し手を渡した。攻めるなら△7七歩から厳しく迫る手はあるが、3九の飛車筋が通ったままだと、▲4五歩からの攻めや飛車を切る手が常に残り反動も大きい。そこでじっと歩を打って手を渡したのが冷静な一着。先手は▲1六銀とこの銀を使うよりなく、この手の交換は明らかに後手の得。この後△7七歩から△5八成銀〜△4七歩と垂らし、3九の飛車を取ることに成功。後手が優勢なまま終盤戦に突入した。 |
(問197-2解答)「飛車筋を変える一段歩」 ここで先手の森下九段は▲5九歩と打って、△同飛成に▲4六角と狙われている角を飛車取りに飛び出した。▲5九歩のような一段目(下段)に歩を打つ手は良く出る手筋の一つ。もし5八に成銀がいなければ、▲5九歩△同飛成▲6九金と「大駒は近づけて受けよ」と先手で飛車取りに打って守るような手もある。 本譜は6九に金を打つわけにもいかない為、▲4六角と出て△7九飛成からの強襲を回避した。しかし、後手も当たっている飛車を4二へ回り依然後手優勢のまま最終盤へと突入。 実戦はその飛車で△4四飛と急所の歩を払いながら飛び出て後手勝勢に。先手玉は二手スキからの必死が受からない形になり、一手スキがかけられない為(先手が)投了に追い込まれた。 |
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