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NHK杯に見る受けの手筋
(2009年6月15日出題)

第203問(2009年6月14日山崎七段-遠山四段戦)
(問203-1)
後手遠山四段のゴキゲン中飛車に、先手の山崎七段は急戦含みの出だしから居飛車穴熊に囲った。
そしてどこから手を付けるか難しい局面が続いたが、先手の山崎七段が▲6五歩と位を取った手に反発して戦いが始まった。
今、△3一角打に対し一旦▲7五歩と角道を遮断したところ。ここで後手遠山四段の指した三手一組の手は何か?


(答えはこの下に)
(難易度・・・



(問203-2)
▲3七角の利きを使って先手が玉頭に襲いかかったところ。7五の地点は後手の角も利いているが、△同銀と取るのは▲7四歩と打たれてもたない。ここは銀を逃げるしかないが、どこへ逃げるのが最善か?


(難易度・・・



(これより下に解答)

(問203-1解答)「合駒を手駒にしてから飛車を捕獲」
△5二銀で飛車が死んでいるのは見えるが、すぐに銀を打つと、角を取られ、▲3七角と王手に角を打たれる手が(合駒がなくて)厳しい。そこで、合駒用に香を取ってから銀を打つ手が読みの入った一手。本来このようにせかされてもいない桂で香を取るのは、その後の攻めがはっきりしている時以外は良くないことが多い。この局面は例外で△5二銀を成立させる為のまさに場合の一手だ。
実戦は以下▲3一飛成△同角▲3七角△7三香となり、難解な終盤戦へ突入した。



(問203-2解答)「銀のかわし方」
▲7五歩に対し、普通は△8三銀と玉の側に逃げるのが自然だ。しかし▲7四桂が見えており、△7一玉と下に落とされるといつでも▲7三角成から△6二銀や▲5六香と打たれる筋が厳しく、攻め合って駒を渡すわけにもいかない。
そこで実戦は△6三銀引とこちらに引いたのがうまい受けの一手。解説でも話していたように、▲7四桂には△8三玉を用意し、これで後手玉も一応は持ち堪えていて見ている時は好手に見えた。しかし、以下▲7八飛から▲8六桂とためた手がそれを上回る好手で先手の攻めが続くことになった。
感想戦でちょっと触れられた手はここで△8五銀と上に出る手。△7四桂にはやはり△8三玉で堪える上、後手からいつでも9六へ殺到する手があり先手もどうするか難しいとのことであった。

本譜は下段から左辺へ逃げられはしたが、先手は飛車が成り、最後は先手玉に一手スキが来る前に寄せ切ることに成功した。


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